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 第102回全国高校野球選手権大会と地方大会の中止が発表された20日、奈良県の関係者からも落胆の声があがった。1府県1代表(北海道と東京都は2代表)の49代表制となった第60回大会(1978年)以降、奈良大会が中止になるのは初めて。奈良大会は7月11日開幕、28日決勝の予定だった。県高野連は、独自大会の開催について「現時点では白紙」としている。

 今春の選抜大会も中止で出られなかった天理(天理市)の中村良二監督は「今まで一緒にやってきた生徒に話すことが浮かんでこない。選抜の中止が決まってから、夏に向けて頑張ろうと言ってきたが、安心安全あっての競技。苦渋の決断だったと思う。生徒たちには大好きな野球を続けてほしい」と話した。独自大会については「3年生がどう思っているのかを考慮してほしい。自身の高校野球にどうけじめをつけるかは、生徒それぞれで違うとも思う」と話した。

 第100回記念大会に出場した奈良大付(奈良市)の田中一訓監督は「春は選抜大会まであと一歩で、夏にリベンジしようと冬は厳しいトレーニングをしてきた。頑張ってきた生徒たちの姿を思い出すと悲しくなる。高校野球をやっている以上、甲子園を目指してやっている。戦わずして終わるのは子どもたちがかわいそう。個人的に3年生全員がベンチに入ってできる試合があればいいなと思う」と話した。

 智弁学園(五條市)出身で、プロ野球巨人・岡本和真選手は「夏の甲子園がないのは想像ができないです。甲子園を目指して、頑張っているところでそれがなくなるというのは、残念で言葉が出てこない。目標はなくなりますが、ここを乗り越えて頑張ればその分、必ずいいことがあると思います。とにかく残念です」とのコメントを発表した。(平田瑛美)

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 永井工仁・奈良県高野連会長のコメント

 平素は奈良県高校野球連盟の諸事業にご理解、ご協力を賜り誠にありがとうございます。

 本日、日本高野連並びに朝日新聞社から「第102回全国高等学校野球選手権大会」の中止が発表されました。

 夏の甲子園大会中止は大変残念ですが、主催者の皆様方が様々な関係者から情報を収集され、慎重に熟慮を重ねてこられた末の判断であり重く受け止めたいと考えています。

 高校野球は学校教育の一環であり、生徒の未来(命・安全・夢)を真に大事に考え、それを最大限に尊重して決定されたと思います。

 これまで甲子園を目指して頑張ってこられた選手・監督はもちろん、保護者の皆様、学校関係者の皆様のお気持ちを慮(おもんぱか)るととても辛(つら)い想(おも)いです。しかし、いつの時代も野球は日本社会を勇気づけてきました。その野球に懸けてきた高校球児としての誇りを持って一人ひとりが前を向いてほしいと思います。

 奈良県独自大会の開催については、現時点では白紙です。今後、6月1日から学校が再開され、部活動も再開される見込みです。奈良県高野連として、日本高野連の判断に敬意を払いつつ、各学校をはじめ関係者の現状や考えをうかがい、新型コロナの感染状況を注視しながら6月中旬までをめどに協議を重ねてまいりたいと考えています。