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 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、第102回全国高校野球選手権大会の中止が決まった。晴れの舞台を目指し、練習を積み重ねてきた選手や指導者たちからは落胆の声が上がった。県高野連は、3年生の最後の舞台を用意するため、独自の大会を開催する方向で検討を始めた。

 春の選抜大会で、春夏通じて初の甲子園出場を決めながら、大会の中止で出場できなかった加藤学園。米山学監督は、夏の選手権大会も中止となったことを受け、悔しさをにじませた。

 部員とマネジャー64人にはオンライン会議システムで中止を伝えた。ショックを隠せない部員もいたが、勝又友則主将は「たとえどんな結果になろうが今まで通り活動していきたい」と、気丈に話したという。

 「夏こそは必ず」を合言葉に強い気持ちで練習に励んできた。学校は18日から分散登校が始まり、野球部の全体練習は6月1日から再開予定だった。

 「またグラウンドで一緒に野球ができることを望んでいる」。米山監督は静かに話した。

 昨秋の県大会で優勝した藤枝明誠の光岡孝監督は「夏の大会が開催されることを信じて、今できることをやろう」と選手たちを励ましてきた。春の選抜代表には、秋の東海大会で同じ4強だった加藤学園が選ばれた。「夏にかける思いはどのチームよりも強かった。悔しい思いでいっぱい」。村松杏都主将は涙ぐんだ。

 プロ注目の最速148キロ左腕、静岡商の高田琢登投手も最後の夏に賭けていた。「中止になるかもしれないという思いはあったが、やはり悲しい。(県独自の大会が開催されれば)優勝して甲子園に出場するのにふさわしいチームだったと証明したい」。父親で同校監督の晋松さんは「子どもたちは苦しい練習を乗り越えてきた。今度も必ず乗り越えてくれると信じ、サポートする」と語った。

 昨夏の静岡大会で優勝した静岡高の栗林俊輔監督は「今の状況を考えると、最優先すべきは生徒たちの命。やむをえない判断。もし独自の大会が開催されれば優勝を目指したい」と話した。

独自の大会検討

 県高野連の渡辺才也(としなり)理事長は、「頑張ってきた3年生は活躍の場がないまま終わってしまう。何と言えば良いのか。かける言葉が見つからない」と言葉を詰まらせた。

 今後、県高野連で独自の大会を実施する方向で検討するという。「3年生の努力が何らかの形で実ってほしい」と述べ、6月5日に開催予定の運営委員会で方向性を示したい考えを明らかにした。(和田翔太、戸田和敬)