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コロナ法律相談 回答:神田友輔弁護士

 新型コロナウイルスの影響で、経済的に困窮したり、家族との関係がぎくしゃくしたりといった、家庭をめぐる問題も起きています。どう対応したら良いか。取材で見聞きしたケースなどをもとに、専門家に尋ねました。(聞き手・新屋絵理)

 Q スーパーに勤務しています。小学校低学年の息子が休校中で自宅にいるので、世話のためにしばらく休みたいのですが、会社からは「忙しいから出て」と出社を求められます。休めないのでしょうか。

 A 労働契約が結ばれている以上、会社からの業務命令があった場合、自由に休むことは難しいです。欠勤扱いになる可能性があります。

 年次有給休暇(年休)があれば、それを使って休む方法はあります。パート勤務でも、勤続期間と勤務状況に応じて権利が与えられます。労働基準法では、労働者に年休の「時季指定権」を認めており、いつ年休を使うかは原則として労働者が選べます。

 ですが、覆されることもあります。会社側には年休の時期を変えさせることができる「時季変更権」があるからです。ただ、行使できるのは、「事業の正常な運営を妨げる場合」とされています。

 Q 今回のケースではどうでしょうか。

 A これまでの裁判例の積み重ねから、単に忙しいだけではなく、その人でなければできない業務がある場合などに認められると解釈されています。「忙しいから」という理由だけでは、会社側の時季変更権は認められないはずです。

 昨年度からは会社側が、年10日以上の年休が与えられている労働者に対して最低でも5日を消化させることが義務づけられ、取得促進の流れが少しずつ出てきました。まずは会社に調整をお願いしてみてはいかがでしょうか。

    ◇

 〈かんだ・ゆうすけ〉 2008年弁護士登録。第一東京弁護士会災害対策本部(新型コロナウイルス)の本部長代行として、電話相談の体制づくりなどに取り組む。

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