新型コロナウイルスの対応で予断を許さないのが、高齢者や障害者、乳幼児らの命を預かる社会福祉施設だ。疲弊する現場の人たちを勇気づけようと、全国の施設で働く有志が協力して動画を制作した。ボクシング映画「ロッキー」の勇壮なテーマ曲に合わせ、消毒や手洗いなどの奮闘ぶりを動画で紹介。その名も「コロナに負けるな!社会福祉!」。
動画は2分58秒。こまめな消毒の徹底や高齢者施設でのオンライン面会、マスクの手作りなど、感染症への取り組みを紹介。最後に「コロナに負けるな!」とみんなで拳を突き上げる。「ロッキーのテーマ」の演奏は、視覚など重複障害者のバンドが担った。
中心となったのは、宮城、石川、京都、大阪、山口、福岡の6府県の社会福祉法人で働く7人。新たな福祉づくりに挑戦する若手として、全国社会福祉法人経営者協議会が主催する昨年の「社会福祉ヒーローズ」賞で表彰され、その後も交流が続いていた。
その1人が、山口県防府市を拠点に介護支援を手がける「ひとつの会」で働く谷口洋一さん(39)。ニュースで「また社会福祉施設でクラスター(集団感染)です」と流れるたびに、「その言い方はさびしい」と悔しく思っていた。
風評被害も受けた福祉の現場では、利用者の命を守るため、職員の手が荒れるほど拭き掃除や消毒を徹底していた。手洗いの歌を作ったり保育園児とオンラインでつながったりなど、どの施設も工夫を凝らす。でも、その努力が伝わっていないとも感じた。「微力かもしれないけど、現場の取り組みを発信しよう」。7人がテレビ会議でシナリオを作り、それぞれの施設で動画を撮った。
テーマは「大切な命を守って…

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