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 新型コロナウイルスの感染をより迅速に確認するため、独自にPCR検査の拡充に取り組む自治体が、東京都内の23区すべてに広がったことがわかった。多摩地域でも検査センターの開設が相次ぐ。都内の感染者数は減っているが、都医師会は「第2波」への備えとして必要だとしている。

 21日午後、武蔵野市のPCR検査センターが稼働した。ドライブスルー方式で、テントが設営された医療機関の敷地内に車が入ってくる。委託された市医師会のスタッフが窓越しに検体をとった。松下玲子市長は「新型コロナとは長い闘いになる。いざというときの検査体制が整い、市民には安心材料だ」と喜んだ。運営予算は11月末まで確保。週3日の運用で、1日10件程度を想定する。

 多摩地域では、13日に八王子市が「PCR外来」を開設。陽性者が出れば、市が都と借り上げた宿泊施設に速やかに収容できる体制だ。14日には多摩市と西東京市、18日に東久留米市、20日に調布市でも検査センターが始まった。福生市も21日に開設をサイトで告げた。

 4月27日に始めた町田市はドライブスルー方式で1日最大30件を受け付ける。今月19日時点で331件を数え、「必要な方が検査を受けられるようになり、順調にきている」と保健総務課。22日の臨時市議会で審議する補正予算案に、6~9月の追加の運営費で約4400万円を計上した。

 三鷹市も6月のセンター開設に向けて準備を進めている。府中、小金井、国分寺、国立の4市では各医師会が共同で今月25日にセンターを設置し、府中市などが助成を検討している。

 日野市は、市医師会が都と行うセンターに敷地を提供している。このほか、市立病院に検査機器を7月までに導入すると発表し、判定の迅速化に力を入れる。

 23区では、大田区地域外来・検査センターが21日に稼働。週2日、1日あたり20人を想定する。渋谷区は区医師会と連携し、4月28日から独自の検査に取り組むが、今月中にも区主体の地域外来・検査センターを始めるべく準備を急ぐ。

 すでに区内の基幹病院で「発熱外来」を設置した杉並区。採取した検体を民間検査機関などに送っているが、7月から区直営の検査施設を稼働させる。旧衛生試験所を改修し、安全キャビネットなどの感染防止機能を持つ検査機器を導入する。関連予算3千万円が20日の議会で承認された。生活衛生課は「最短で1日で結果が出る。新型コロナの第2波だけでなく、将来的に新たな大流行が起きたときの迅速な検査体制としても必要だ」と話す。

 4月27日から「検査スポット」を始めた新宿区は、多いときで1日約90件の検査をしたが、最近は1日30~40件で推移する。陽性判定は1日1件出るかどうかになっているという。(井上恵一朗)

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 角田徹・都医師会副会長の話 自治体と取り組むPCR検査センターでも感染率は減っていて、都内全体の感染者数の減少を反映している。だが「第2波」を早期に探知するには、必要な人がすぐに検査を受けられる体制の存続が必要だ。簡易で迅速な抗原検査についても、国は検査キットをPCRセンターに優先的に配布する方針で、PCRとともに有効に運用できるようにしていきたい。