築地本願寺がオンライン法要 「買い占め」戒める説話も
新型コロナウイルスの影響が続くなか、築地本願寺(東京都中央区)は、自宅にいながら参拝したり、法事に参加したりしてもらおうと、法話の動画配信や「オンライン法要」を始めた。初めての試みで、安永雄玄(ゆうげん)宗務長は「不安や孤独におそわれた時に法要や法話を視聴して、心を安らげるきっかけにしていただければ」と話している。
同寺では現在、参拝を控えるよう呼びかけ、読経の受け付けを中止している。定期的に行ってきた法話も取りやめているが、「不安になりやすい今こそ法話を届けたい」と、4月から「YouTube築地本願寺チャンネル」で「お坊さんのお話」と題した動画配信を始めた。
同宗派の僧侶たちがカメラに向かって「慈悲のこころ」「今さら聞けないお寺の学びとマナー」などをテーマにした法話を届ける。光善寺(港区)の柳川眞諦(しんたい)さんは、トイレットペーパーの買い占めなど自己中心的な行動を例に挙げ、人を思いやることの大切さを説いた。動画には法話に合わせて字幕や図などの説明が盛り込まれ、視聴者からは「解説がついてわかりやすい」と好評という。
自宅にいながら参拝できるように、本堂を定点カメラで映したライブ配信も行っている。午前6時~午後4時、僧侶らが読経する様子などが見られる。
また、僧侶がお経をあげる様子を家族に中継する「オンライン法要」も5月11日から6月末までの期間限定で導入した。家族を本堂に集めずに、法要の様子をテレビ電話アプリ「Zoom」を通して届ける。受け付け開始から1週間で「一周忌」や「三回忌」などの法要の予約が6件入ったという。(大山稜)
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