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 政府が検討中の「9月入学」で、文部科学省が出した来秋導入の際の新たな案について、苅谷剛彦・英オックスフォード大教授の研究チームが、学校教育や保育への影響を試算した。新小学1年生の対象範囲を5年間かけて移行する新たな「段階的実施案」の場合、1年で移行する「一斉実施案」と比べて5年間で保育所の待機児童が計20万3千人分多くなり、新たな待機児童は計46万8千人になる。

 文科省が19日に政府が開いた会議で例示したのは、①2021年度の新入生のみ、いまの年長児に加え、年中児のうち4月2日~9月1日生まれを合わせて17カ月の学年とし、翌年度からは従来の12カ月の学年に戻す「一斉実施案」と、②21~25年度と5カ年の新入生をそれぞれ13カ月の学年とし、26年9月入学からは12カ月の学年に戻す「段階的実施案」だ。

 苅谷教授の研究チームは地方教育費調査や学校基本調査、社会福祉施設等調査、子育て安心プラン実施計画などをもとにして両案での影響を推計した。

 ①は初年度の学年のみ人数が1・4倍に膨らみ、地方財政支出が今より2640億円増え、卒業まで続く。教員は初年度、2万8100人が不足する。全て正規採用の教員で補う場合、小学校の採用試験の倍率は0・88倍に、50%正規で補う場合、1・33倍となる。保育所は新たに26万5千人の待機児童が生まれるが、翌年には解消される。学童保育は新たに16万7千人の待機児童が生まれ、進級にともなう利用率の低下で徐々に減る、という試算を出している。

 今回はさらに、子どもの出生数の変化をふまえた試算方法で②を推計。21年度は地方財政支出が今より505億円増え、教員は1500人不足し、その後も追加の財政支出と教員不足が続く。全て正規採用の教員で補う場合、21年、小学校の採用試験の倍率は2・7倍、50%正規で補う場合、2・6倍となる。

 教育分野の影響は①より小さい一方、保育所は初年度、新たに26万5千人の待機児童が生まれ、22年は15万5千人、23年は4万8千人で、それ以降は新たには増えず、計46万8千人。学童保育は初年度2万8千人の待機児童が生まれ、この状態が5年間続く。安倍政権が20年度末までに掲げる「待機児童ゼロ」達成の目標が狂うことになる。

 研究チームでは今回、9月入学…

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