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 年金を受け取れる年齢の幅を、いまの60~70歳から60~75歳へと広げる法案が国会で審議されている。厚生労働省は個人の選択肢を広げることを改正の理由に挙げるが、受け取り始める年齢を将来、引き上げる布石ではないか、と疑う声がくすぶる。厚労省はこうした見方を強く否定するが、本当に信じていいのだろうか。

 4月10日、年金改革関連法案が国会で審議入りすることが決まった。ツイッターでは「年金75歳」がトレンド(関心の高い単語)に入った。年金を75歳から受け取るようになると理解した人が多く、「年金75歳やめてほしい」などのつぶやきがネット上にあふれた。

 東京都の主婦(63)は「いつかそういう時が来ると思っていたので、ニュースを見た瞬間どきりとした。本当にそうなれば老後の生活設計が狂うし、そんなに長生きできる自信もない」と話す。

 厚労省は「支給開始年齢の引き上げは行わない」と繰り返す。いまは原則65歳で、60歳から70歳の間で選べるが、今回の改正はそれを60歳から75歳の幅に広げる。受け取り開始時期を遅らせた人には毎月の年金額を増やす。働き続けた方が得だという選択肢を示し、人手不足の中で高齢者の就労を促す狙いがある。早く年金を受け取りたい人が今後も60歳から受け取れる点は変わらない。

受給開始年齢「将来も変更不要」

 厚労省がその根拠に挙げるのが2004年の年金制度改革だ。現役世代の負担が重くなりすぎないように月々払う保険料の上限を定めたうえで、投入する税金と保険料を含めた「収入」を先に決め、収入の範囲で年金を払うことにした。積立金を早く使いきって将来の年金水準が下がりすぎないよう、物価や賃金水準に応じて年金水準を少しずつ下げる「マクロ経済スライド」を導入したので、「約100年先も収支のバランスが取れる」と主張する。

 5年ごとの年金財政検証でも、モデル世帯が受け取る将来の年金月額は政府が約束した「現役世代の5割」を超え、受給開始年齢は将来も変える必要はないとする。

 ただ、物価が下がる「デフレ」…

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