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 本格的な登山シーズンを迎えた中、新型コロナウイルスの影響で営業休止中の山小屋を、クラウドファンディングで支援する動きが広がっている。宿泊や食事の提供だけでなく登山道の整備やトイレ管理など、山の維持に重要な役割を果たしている山小屋を守ろうと、登山関係者らが立ち上がった。

 資金を募っているのは、山岳関係の書籍を手がける「山と渓谷社」(東京都)の「山小屋エイド基金」(8月13日まで)と、登山者向けの地図アプリで知られる「YAMAP(ヤマップ)」(福岡市)の「#山小屋支援プロジェクト」(6月30日まで)。二つ合わせて少なくとも全国の100ほどの山小屋の維持経費に充ててもらう計画で、今後、その数を増やしていくという。

 大型連休や夏山の登山最盛期、山小屋には大勢の登山客が訪れる。ただ、自然環境の厳しい山岳地帯にあるため居住スペースは限られており、どうしても「3密」の状態となる。特に、稜線(りょうせん)などにある施設は水が限られ、手洗いもままならない。

 槍ケ岳山荘や穂高岳山荘などが加盟する北アルプス山小屋友交会は7月中旬まで営業自粛を決め、富士山の山小屋は今季の営業を取りやめた。このほか、尾瀬や八ケ岳など全国各地の山小屋の多くが営業できない状態でいる。北アルプス最奥の黒部源流で三俣山荘を経営する伊藤圭さん(43)は「登山文化自体が危機に瀕(ひん)している」と訴える。

 こうした状況に、クラウドファンディングの出だしは好調だ。いずれも開設から3日目までに目標額(200万~300万円)を大きく上回る1千万円を突破し、全国に支援の輪が広がっている。

 登山自粛を求める声明を出した日本山岳・スポーツクライミング協会も危機感を抱いており、クラウドファンディングの賛同人になった八木原圀明会長(73)は「登山界全体で、山小屋を支援する必要があると考えた」と話している。

 「#山小屋支援プロジェクト」のサイトは「https://readyfor.jp/projects/yamagoya別ウインドウで開きます」、「山小屋エイド基金」は「https://motion-gallery.net/projects/yamagoya-aid別ウインドウで開きます」。(近藤幸夫)