名古屋市南部(旧愛知6区)を地盤とした元民社党委員長塚本三郎さんの訃報(ふほう)を受けて22日、河村たかし名古屋市長(71)や同市議から悼む声が広がった。

 河村氏は「塚本さんは名古屋にたくさんの子ども(政治家)を育ててくれた。それが最大の功績だ」と話した。塚本さんと同時期に活動した元民社党委員長で故・春日一幸元衆院議員(旧愛知1区)の秘書を務めていた当時、塚本さんから「ざんげは草露のごとく」と仏教の言葉で諭されたことを挙げ、「人のややこしい憎しみが消えるような政治をやれと教えて頂いた」と振り返った。

 長年、地元秘書を務めた藤沢忠将市議(50)=自民=は、「温厚な方で28年間の付き合いで一度も怒鳴られたことはない」と話した。大学時代に政治に関心を持ち、塚本さんの自宅を訪ねて「秘書にして欲しい」と頼み込んだ。偶然在宅中だった塚本さんに面会でき、「明日から来なさい」と秘書になった。

 塚本さんが政界引退後も、市議になった藤沢氏はたびたび塚本さんを訪ね、「錦三で飲む時間があるなら本の1冊でも読め」と何度も言われたという。塚本さんに最後に面会したのは2週間前。しっかりとした口調で「今はコロナ対策をしっかりやれ」と言われたという。

 「仏教の説法を取り入れた演説が上手だった」と、河村氏と同じく故春日氏に師事した加藤一登市議(58)=名古屋民主=も話す。思い出の多くは、塚本さんの政界引退後にあり、「毎月、時勢を論じる論文を送ってくれた。その説諭は生き方まで及んだ。仙人のような人だった」。

 河村氏と、民社党結党時の話を聞きにいこうと話していた矢先だったといい、「残念ですね」と話した。(佐々木洋輔)