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 新型コロナウイルスは、慰霊祭や追悼式で戦争犠牲者を悼む機会まで奪っている。今年は終戦から75年。遺族や関係者からは、開催中止を惜しむ声が上がる。

 「慰霊祭がないので家から拝みます。知覧には改めて参ります」。鹿児島県薩摩川内市の土器手(どきて)広旺(ひろお)さん(83)は今月3日朝、いつものように仏壇に向かい、亡き兄に呼びかけた。

 この日は毎年、沖縄での特攻作戦で亡くなった1036人の旧陸軍の特攻隊員を悼む慰霊祭が鹿児島県内で営まれてきた。場所は、400人以上が出撃した知覧飛行場があった南九州市知覧町の「平和観音堂」境内。1955年に始まり、今年は66回目の予定だったが、新型コロナの影響で初めて中止になった。

 土器手さんの兄・茂生さんは19歳の時、知覧から戦闘機『隼』で飛び立って帰らぬ人となった。出撃の当日、土器手さんは両親とともに知覧を訪れ、茂生さんに兵舎で面会した。

 兄は「いつ出撃か分からない。もう帰ってほしい」と家族に告げた。別れ際、当時8歳だった土器手さんに「元気で頑張れよ」と言い残した。最期が迫っているのを知っていたのだろう――。振り返って思う。

 同じ悲しみを抱える遺族が集ま…

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