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 新型コロナウイルスの影響で長期間、臨時休校になった愛媛県内の小中高校。各地で25日の「完全再開」に向けた準備が続く。でも、久しぶりに行った学校が「つらい」と感じることがあるかもしれない。不登校の児童・生徒たちと向き合ってきた孕石修也さん(29)は「無理して行かなくてもいい」と語る。

 臨時休校が続いたこの3カ月は、不登校の子どもたちにとって「ポジティブな期間」だったと感じています。なぜなら、みんなが学校に行っていないから。子どもや保護者の方に話を聞いてみると、「なんで行かないの?」と言われる悩みから解放されているようでした。

 普段から、学校に行くことが不安だという子には「学校は無理して行かなくていい」と伝えてきました。今回の臨時休校は、ウイルスにかからないためのもの。「学校は命がけで行く場所じゃない」という認識が、みんなの実体験になったと思います。

 コロナ以外の理由でも、「学校に行きたくても行けない」という子はたくさんいます。不登校は誰にでも起こりえます。今まで学校がめっちゃ楽しくて、「大丈夫」と思っていた子も、急に「つらい」と感じることはあります。

 でも、それは突然のようにみえて、そうじゃない。ウイルスに潜伏期間があるように、心に潜んでいたストレスが表に出てきた結果だと思います。特に今は、普段はしないオンライン授業や分散登校があり、友達と好きな場所に遊びに行けないこともある。ストレスが知らないうちにたまりやすい状況でしょう。

 心配なのが、今まで学校に行くのが不安にならなかった「強い」タイプの子。学校が再開すれば、今までの生活に戻れると考えている子です。

 再開しても生活にいろんな制約はあるでしょう。感染の第2波、3波が来て、また臨時休校になるかもしれないし、分散登校が続くこともあるかもしれない。「25日から日常に戻る」と期待しすぎていると、心が折れてしまうかもしれません。

 これからどうなるのか、誰にもわかりません。今までと違う日々が長期化することへの覚悟が必要だと思います。

 そもそも私は、不登校になることが問題だと考えていません。ごく自然に誰にでも起こる。むしろ、「不安だ」という気持ちを表現できるというのは、人間として大切なことです。

 学校にフル参加することだけが正解じゃない、と知っておいてほしい。登校はするけど、教室には行かないという手段もあります。フリースクールの無料体験に何度か参加したら、「代わりの場所がある」と気づいて学校に行ける子もいます。

 保護者の方には、お子さんが「学校に行きたくない」と言ったら、「なに」「どんな」という問いかけを大切にしてほしい。「なぜ行きたくないの」と言われると、責められるような気持ちになりませんか。「どんなことが不安なの」「なにをしてあげたらいいかな」。そう問えば、お子さんの気持ちを受け入れて前向きな話ができると思います。(聞き手・照井琢見)

 はらみいし・しゅうや 静岡県豊田町(現・磐田市)出身。愛媛大学在学中、松山市で学習塾を設立。不登校の子どもたちと出会い、2019年4月に市内にフリースクール「エルート」を設立。理事長を務める。エルートには、中学生を中心に15人ほどが通っている。

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