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 ソフトバンクの機密情報を元社員が不正に取得したとされる事件で、警視庁は22日、取得を唆したとして、事件後に出国した元外交官で在日ロシア通商代表部のアントン・カリニン元代表代理(52)を不正競争防止法違反教唆の疑いで書類送検し、発表した。

 カリニン元代表代理は元社員を飲食店で接待し、繰り返し情報を入手。報酬として1回につき数万~約20万円、計数十万円を渡したとみられる。警視庁は、代表に次ぐナンバー2の立場で通商代表部に籍を置きながら、ロシア対外情報庁(SVR)で科学技術に関する情報を収集する「ラインX」の一員としてスパイ活動に従事していたとみている。

 事件では、ソフトバンクの元社員で統括部長だった荒木豊被告(48)が昨年2~3月の2回、電話基地局設置に関する作業手順書など営業秘密計3件を社内サーバーから不正に取得したとして、同法違反罪で今年2月に起訴された。公安部によると、カリニン元代表代理は2018年11月20日、東京都内の飲食店で、荒木被告に「機密情報を入手してほしい」などと要求し、この3件の情報の取得を唆した疑いがある。

 警視庁は今年1月、外務省を通じて2回出頭を要請したが、元代表代理は応じないまま2月10日に離任して出国し、帰国したとみられている。