拡大する写真・図版一人娘を抱く西口洋平さん=2016年12月

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「僕自身が仲間とつながれて、社会に発信することで、僕の中で生きる力になり、こんなに元気でいられる」(進行した胆管がんをきっかけに「キャンサーペアレンツ」を作った西口洋平さん 2020年5月8日に40歳で死去)

コラム「がん 当事者のことばから」
26歳でがんになり、2度の再発も経験した朝日新聞記者の上野創(49)のコラム「当事者のことばから」。これまでに出会った、様々な患者やその家族らの言葉を紹介してつづります。

 2年前、「世界対がんデー」の2月4日、朝日新聞が「がんとの共生社会づくり」を掲げて続ける「ネクストリボンプロジェクト」の催しで、西口洋平さんはステージから、そう語りかけました。

 同日の「仕事と治療の両立」がテーマのシンポジウムでも、急成長した人材会社「エン・ジャパン」の営業職として激務をこなしてきた経験をもとに、「僕にとって良かったのは、歯を食いしばって働いてきて、そこ(職場)に人と人とのつながり、あったかいものがあったこと。それは制度とかを優に超えていくもの」と話しました。私はコーディネーターとして壇上の隣の席で西口さんの言葉を聞きながら、「『つながり』が彼のキーワードなんだな」と改めて思っていました。

拡大する写真・図版ネクストリボンプロジェクトで講演する西口洋平さん=2018年2月4日

つながれなかった経験が起点

 「つながりを生きるチカラに」という言葉を、西口さんはこの日だけでなく、よく使っていました。西口さん自身が35歳で進行した胆管がんと言われた時、「つながり」を渇望しながら得られなかったからです。

 不安な気持ちを話したいが、周りに同じ世代のがん患者がいない。会社の同僚にも友人にも、自分の悩みを話すどころか、がんになったと伝えることすら二の足を踏む。小学校に上がる年齢の子ども、心配をかける妻、老いていく親にどう接したらいいか――。

 ひとりぼっちという寒々しい気…

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