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 南米ブラジルの保健省は22日、新型コロナウイルスの感染者数が33万890人になったと発表した。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、ブラジルの感染者数は、32万人のロシアを抜き、米国に次いで世界で2番目となった。世界保健機関(WHO)の担当者は同日、「南米が新たな震源地になっている」と懸念を示した。

 保健省の発表では、ブラジルでの直近24時間の死者数は1001人で、累計では2万1千人となり、世界で6番目。感染者数、死者数ともに最大都市サンパウロを抱えるサンパウロ州が最多。貧困層の多い北部でも感染が拡大しており、医療崩壊が起きている地域もある。一部の自治体では、都市封鎖も行われている。

 2月末に初感染が確認されたブラジルでは、3月下旬から各地の州政府が商業施設の営業停止などを命じ、市民に外出自粛を求めている。だが、新型コロナを「ちょっとした風邪」と軽視するボルソナーロ大統領は、経済活動の再開を求めており、国全体での統一した対策が取れていない。

 また、外出自粛を支持した保健相2人がボルソナーロ氏と対立し、1カ月のうちに相次いで辞任。将軍が代行を務めており、現地報道では、保健行政の経験のない軍人21人が省内の要職に就いたと報じられている。

 WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は22日の記者会見で、ブラジルで感染者数が急増し、一部の州の死亡者の割合が高いことに懸念を示した。あわせて、南米各国で感染者が増えていることから、「南米が新たな震源地になっている」と述べた。

 また、ボルソナーロ大統領が初期症状の患者に投与すべきだとこだわり、トランプ米大統領が「予防のために飲んでいる」と明らかにした抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」について、ライアン氏は「新型コロナに効果があるという、十分な証拠はまだない」と述べた。(サンパウロ=岡田玄)