中国本土の新規コロナ患者、ゼロに 統計開始以来初めて
中国政府は23日、中国本土の前日の集計で新型コロナウイルスの感染による新たな患者が確認されなかったと発表した。新規の患者が「ゼロ」となったのは本土全体の統計が始まった1月20日以降初めて。ただ、中国政府は発病した「患者」と「無症状の感染者」を別々に統計しており、無症状者はこの日、新たに28人が確認されたとしている。
中国政府の統計によると、確認された累計の患者は8万2971人。そのうちの8割以上が最初に感染が広がった武漢市が省都の湖北省内に集中する。累計の死者数は4634人。
2月上旬には1日に4千人近くの新たな患者が確認されていたが、武漢市内などで厳しい外出制限が敷かれ、軽症者の仮設病院への徹底的な隔離が進んだ2月中旬ごろから拡大の勢いは鈍化した。
3月に入ると外国からの帰国者の感染確認が増加。航空路線の絞り込みや、空港や国境での入国者の全員検査など水際対策が強化された。4月に確認された約1千人の患者の約9割が入国後すぐに感染が判明しており「本土外で感染した人」とされている。
黒竜江省などで水際対策の強化前に帰国した人から広がったとみられる「第2波」も現れたが、地域ごとに再び交通規制や外出制限が敷かれるなどして広域的な拡大を抑えている。
一方、無症状の感染者はこれまでに本土で7700人以上が確認されており、「全市民の検査」を目標に1日数十万件のPCR検査が実施されている武漢市を中心に今も本土で連日10人以上が見つかっている。
同市の医師らの中には、こうした無症状者から検出されるウイルスは「毒力も感染力も弱い」との見方がある。ただ、5月になってから一つの団地で7人の患者が出た事例もあり、同市内では依然として団地外への外出制限が続けられている。(武漢=平井良和)
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