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 新型コロナウイルスで注目されている陽性率は、全国的に統一された計算法が存在しない。感染の有無を調べるPCR検査を受けた人に占める陽性者の割合だが、地域によって民間による検査件数を含めなかったり、同じ人が複数回検査した際の扱いが違ったりしている。政府の専門家会議も問題視。統一を求める声があがっている。

 陽性率は感染状況を把握する上での重要な指標と位置付けられているが、計算法に違いがある。主に①民間病院などによる検査を集計に含むかどうか②退院時の陰性確認検査などを含むかどうか――の2点だ。

 今も緊急事態宣言の対象となっている北海道と首都圏の4都県、21日に解除された近畿3府県でも対応はバラツキがある。

 東京都は当初、行政が行う検査だけを集計。民間病院などによる検査は把握していなかった。そのため陽性率も公表してこなかったが、民間分も含めて集計するように改め、今月8日に初めて陽性率を発表した。退院時の陰性検査を除き、16~22日は1・3%だった。

 神奈川、兵庫の両県は現在も民間分を集計していない。千葉県は民間の検査機関から提供してもらったデータに陰性検査が含まれているため、いまは民間分を集計対象外としている。陰性検査を除いて集計に加える方向で準備をしているという。

 大阪府と京都府は、民間検査を含めている。埼玉県は当初、ほかの自治体と異なり、県が運営する保健所13カ所分と民間分だけを集計していたが、今月15日から政令指定市と中核市が運営する保健所4カ所分も加え、県内全体の陽性率を出している。

 北海道では、いまのところ民間の検査はしていないという。8都道府県はいずれも、退院時の陰性検査は含めていないが、厚生労働省によると、陰性検査などを陽性率に含めている県はほかに20近くあるという。

 統一された基準はないが、政府の専門家会議の尾身茂副座長は「行政による検査だけだと分母が少なくなり、民間の検査も加われば分母は正確になる。入院患者は(陰性検査を含めて)何回も検査するため、ダブルカウントすれば分母が過大になってしまう」と指摘。①は全体像を把握するために集計に含めるべきで、②は陽性率とは関係ないため含めるべきではないとの立場だ。

 計算の仕方によって、どれぐらいの誤差があるか公表されていないが、地域によって差があり、厚労省は国内の正確な陽性率を把握しきれていない。政府の専門家会議は14日、新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言で「都道府県の状況を比較できるようにすることが重要」と問題提起した。

専門家「PCR検査だけでは不十分」

 陽性率の計算法を統一しても、それだけでは不十分との指摘もある。東京大公共政策大学院の鎌江伊三夫特任教授(医療政策)は「感染を疑って検査した集団での陽性率には統計学上の偏りがある。検査数が少ない問題もあるため、信頼できる数値を導き出すことができない」とする。

 厚労省は13日、「抗原検査」…

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