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 今冬の全国高校ラグビー大会で準優勝した御所実業(奈良県御所市)などを指導するプロコーチの二ノ丸友幸さん(40)が、テレビ会議システム「Zoom」を使ったオンラインセミナーを開いている。学生へ指導を続ける経験を生かし、コロナ禍で子どもと過ごす時間が増えた保護者への「コーチング」も始めた。

 同志社大出身で、トップリーグ所属のクボタで2006年までプレーした二ノ丸さん。U18日本代表のコーチなどを経験し、現在は契約を結ぶ全国の高校を中心にラグビーの指導にあたる。人材育成事業として、プロスポーツ選手のキャリアサポートや、企業の研修なども手がける。

 4月29日のオンラインセミナーは「多感な中高生への教育アプローチ」をテーマに、中高生の保護者を対象に参加者を募集。指導するチームの保護者らから「思春期の子どもとうまく関わる方法が知りたい」という声が多くあがっていたことや、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、親子の在宅時間が増えていることから開催を決めた。

 「家で一緒に過ごす時間が増えれば、どう子どもにアプローチするか悩むことも増えると思う。こういうときだからこそ悩みを解消できたらと思った」

 コロナ禍を考慮し、この回の参加費は無料に。仕事や家事が終わるタイミングをねらって午後9時から始め、全国から約120人が参加した。中高生への指導経験を元に、子どもとの関わり方で大切にしていることを「7つのアプローチ」として紹介。話すより耳を傾けることや、自身に非があったときは謝ること、子どもに考えさせて意見を言う機会を作ることなどを呼びかけた。

 約40分の講座の後半は、参加者から事前に寄せられた質問に回答。保護者が子どもに対してイライラしてしまうことについて、「子どもに対して、大人のレベルを求めてしまって勝手にイライラしてしまう。期待値を下げて、中高生に見合ったレベルで認めてほしい」と話した。

 セミナーに参加した兵庫県高砂市で接客業をする金屋恵美子さん(52)は「あまり自分から話さない息子に、悩みを抱えていないかどこまで踏み込むか悩んでいた。聞いた話をもとにこれからでも子どもと関係を築いていけると思えた」。

 オンラインセミナーの参加は初めてで、「普段仕事をしているので、時間帯や気軽さがよかった。講演会のように周りの雰囲気は分からなかったけれど、会場までの移動する時間を考えるとオンラインが良いと思った」と話した。

 仙台市の旅館業の高橋知子さん(44)は「子どもが自分の意思で動くようになるにはどうサポートしたらいいか、親と違う目線の話はとても参考になる。(オンラインセミナーは)大勢が集う講演よりも集中して聞くことができて、気軽に参加できるのでよかった」と話した。

 二ノ丸さんは今後、選手や指導者へとオンラインセミナーの対象を広げながら、保護者への講座も続けたいという。「オンラインのいいところは全国から移動なしで参加できること。コロナの影響でオンラインの活動が受け入れられやすくなっている。今だからこそできることを見つけて、取り組んでいきたい」(平田瑛美)