編集委員・中島隆
新型コロナウイルスの感染が拡大していく。
東京の板橋区を本拠に、みとりの在宅医療をしている「やまと診療所」にとって、このウイルスは恐怖だった。なぜなら、自宅にいる患者は、みんな高齢で、何らかの病気を持っている。
つまり……。
新型コロナに患者が感染してしまうこと、それは、おそらく100%「死」につながってしまうから。
院長の安井佑を中心に、対策を考えた。
在宅医療は、患者の自宅に巡回しなくてはならない。外出を控えろと言われたところで、無理な話だ。
自分たちがコロナに感染してしまったら、もともこもない。患者さんにうつしてしまったら大変なことになる。
そこで……。
診療所の事務所を4月末まで完全閉鎖した。医師とPAは、巡回車を置いてある場所で集合、解散とした。打ち合わせはリモートで。少しでも体調が悪い人は、ぜったい休む。
それらを徹底した。
そのうえで、安井は身構えた。
〈来る、必ず…
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