保育ママに預けた乳児の死亡で賠償命令 横浜地裁支部
神宮司実玲 佐々木康之
神奈川県横須賀市が認定した家庭保育福祉員(保育ママ)の自宅で2010年、保育中だった須田颯生(そうせい)ちゃん(当時4カ月)が死亡した事故をめぐり、母親の博美さん(44)が、市と元保育ママの女性を相手に損害賠償を求めた裁判の判決が25日、横浜地裁横須賀支部であった。梶智紀裁判長(日下部克通裁判長代読)は、市と元保育ママの責任を認め、5257万円の支払いを命じた。
判決は、颯生ちゃんがミルクを吐いて気道に詰まらせ、窒息死したと認定。当時の知見では0歳児は5~10分に1回は呼吸や顔色の確認をすべきなのに、横須賀市は元保育ママへの研修で15分間隔の確認を求めるにとどまったと指摘した。
さらに、元保育ママは颯生ちゃんを寝返りができないベビーラックに寝かせたので、指導より短い間隔で確認する注意義務があったのに、15分間隔の確認で異変に気付かなかったとした。
市は「本市の主張を認めて頂けず、大変残念な結果。弁護士と相談の上、今後の対応を検討します」などとコメントを出した。(神宮司実玲、佐々木康之)
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