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シリアに検査キット2千個

 内戦が続くシリアの首都ダマスカスの国際空港に4月15日、中国から新型コロナウイルスの検査キット約2千個が到着した。段ボール箱には、アラビア語と中国語で「共に長城を築き、コロナと闘おう」の文字。シリア国営通信は「中国の支援は、一方的な強圧手段で傷ついた医療制度にとって大きな助けだ」と、欧米の制裁を非難しながら中国に感謝するアサド政権幹部の言葉を伝えた。

 アサド政権の支配地域では3月末から70人の感染が確認され、4人が死亡。2011年の混乱から始まった内戦で医療は損なわれ、世界保健機関(WHO)によると正常に機能する病院は50%しかない。

 内戦での人権侵害などを理由に、米国や欧州連合(EU)からの経済制裁が続くアサド政権。輸出入を制限されている政権は、「コロナとの闘いに必要な医療機器や検査キット、医薬品の入手を難しくしている制裁を解除してほしい」として、国連事務総長に働きかけを求めた。

 3月25日付の要請書には、シリアを含む計8カ国が名を連ねる。市民への抑圧や独裁的な支配が問題とされて制裁を受けるベネズエラ、ニカラグア、キューバ。核・ミサイル開発などが加わり、より厳しい制裁下にあるイランと北朝鮮。欧米諸国から「強権国家」と名指しされる国々に、中国とロシアが加わった。

 シリア内戦をめぐり、中国は国連安全保障理事会でロシアと歩調を合わせてアサド政権を支援してきたが、直接的な軍事支援は控えてきた。ただ、アサド政権の軍事的な優勢が固まったいま、復興事業への参画には意欲を隠さない。シリアとの関係強化は経済的な利益に加え、新疆ウイグル自治区の安定のためイスラム過激派の情報を共有するなど、安全保障上の協力にも役立つ。アサド政権も、政権の正統性を疑問視する欧米諸国からの投資を当面はあてにできず、中国マネーに大きな期待をかける。

 アサド大統領は昨年末、「将来、シリアが(中国が提唱する巨大経済圏構想)『一帯一路』の一部になるために、中国政府と真剣な議論を始めている」と述べ、具体的なインフラ事業の協議が進んでいることを明かした。

 新型コロナ対策として約150カ国を支援した中国。「震源地」となった自国の感染拡大を抑えながら、救世主のように振る舞い始めている。(イスタンブール=其山史晃)

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