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 新型コロナウイルスの影響で臨時休校していた山口県立学校と市町のほとんどの小中学校が25日、再開した。教員や生徒たちは一様にマスクを着け、消毒や手洗いを徹底して感染防止に努めた。すでに授業を始めている岩国市や下関市などを含め、県内の公立学校はすべて再開した。

 40日ぶりの学校再開。山口市の県立山口中央高校では、連れだって登校する生徒たちから笑顔がこぼれた。まず、1限目の授業を使って校内を清掃。人の手が触れやすいドアの取っ手や窓のサッシなどを消毒液を使って拭くなどした。

 3年の新山真隆さん(18)は「休校中、生活がだらけてしまって朝起きるのが大変だった。今年は受験なので、計画的に勉強に取り組みたい」と話した。

 同校では、部活動もこの日から再開した。学習の遅れに対応するため、7月21日から38日間の予定だった夏休みを、開始日を後ろ倒しにして16日間に短縮する。希望者向けの補習や、学習進度に応じた個別指導も予定する。9月の文化祭は開催するかどうか検討中という。

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 4月に教職員5人の感染が確認された山口県立防府商工高校(防府市、生徒746人)。5人は先週までに順次退院して自宅療養中で、6月中には復帰できそうだという。藤村慎一郎校長は「ほかの県立学校と同じ日に授業を再開でき、本当にありがたい。生徒の元気な姿を見てホッとした」と話した。

 藤村校長は午前9時40分から校内放送で、生徒や地域に感染が広がらなかった点について、休校中に外出を自粛した生徒に感謝を伝えた。その上で「一つの山を乗り越えた。自信を持ってやっていこう」と呼びかけたという。1、2年生は週内は午前授業とし、6月1日から授業と部活動を全面的に再開する。

 校内で感染が広がった背景を、藤村校長は「4月に入って教職員が学科ごとに狭い部屋で打ち合わせをする機会が多く、そこで広がった可能性がある」と振り返った。新たに扇風機を購入して換気を徹底し、狭い部屋での打ち合わせはしないなどの対策をとる。

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 山口市の市立小中学校でも、約1カ月半ぶりに授業が再開された。平川中学校ではこの日の朝、「コロナウイルスに負けない」などと書かれた横断幕を生徒会のメンバー3年生12人が正門前で掲げ、登校する生徒を出迎えた。

 生徒会長の小迫舞弥(まひろ)さん(14)は「やっと学校に来られて安心している。受験を控えていて勉強の遅れを取り戻せるか不安だけど、全員で協力して対策をして、これ以上休校にならないようにしたい」と話した。

 同校では教室前に消毒液を設置したほか、飛沫(ひまつ)感染を防ぐために教卓にアクリル板を置いた。音楽室や理科室には今後、生徒の机の上にアクリル板やビニールシートを設置する。野村康次校長(59)は「学習の遅れを取り戻すためにできることはやっていこうという意識でこの日を迎えた。3密を避ける工夫をして、授業を進めていきたい」と話した。(山崎毅朗、藤牧幸一、伊藤宏樹)