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 政府は25日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川の5都道県の緊急事態宣言を解除することを決めた。4月7日に7都府県で出され、一時全国に広がった宣言は、47都道府県すべてで解除された。決定に先立ち記者会見を開いた安倍晋三首相は、緊急経済対策として今年度第2次補正予算案(事業規模100兆円程度)を27日に閣議決定すると表明した。

 首相は会見で「全国で新規の感染者は50人を下回り、一時は1万人近くいた入院患者も2千人を切った」と説明。今月末の期限を待たずに宣言解除となったことについて「わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた」と語った。北海道と神奈川県は24日時点で、解除基準の目安の一つである「直近1週間の新規感染者が10万人あたり0・5人程度以下」を上回っていたが、医療提供体制の状況などを踏まえて「(諮問委員会に)総合的に判断をしていただいた」と述べた。

 首相は、宣言解除を受け、イベントの開催や外出などについて「感染防止対策を講じることを大前提に、本格的に再開していく」と表明。イベントの規模を数千人規模へ順次拡大するとしたほか、接待を伴う飲食店やバー、ライブハウスなどの営業再開に向けて6月中旬をめどに指針を策定し、感染防止対策に対して最大200万円を補助する考えを示した。25日に改定された基本的対処方針では、外出自粛やイベントの開催制限、施設の使用制限などについて、おおむね3週間ごとの3段階で段階的な緩和を打ち出した。

 一方で首相は感染防止の徹底と経済活動再開の両立は難しいとして、「次なる流行のおそれは常にある」と強調。再び感染が拡大した場合は緊急事態宣言を出す可能性があるとした。経済活動の制限を再強化する目安について、政府は25日、「直近1週間の新規感染者が10万人あたり2・5人程度」(内閣官房)との数値を示した。

 また、首相は会見で、感染拡大防止のため、来月中旬から新型コロナの感染者と接触していた人にスマートフォンで通知するアプリを導入する方針も明らかにした。

 首相は今年度の2度の補正の事業規模は計200兆円を超えるとし、「GDP(国内総生産)の4割に上る空前絶後の規模、世界最大の対策」と語った。2次補正には、中小事業者などへの家賃補助として最大600万円の給付金の新設のほか、医療従事者への最大20万円の慰労金、地方創生臨時交付金を2兆円上積みし計3兆円にすることなどを盛り込む方針も明らかにした。

 感染症の拡大に伴う緊急事態は4月7日に首都圏などで初めて宣言され、16日に全国に拡大。5月14日に39県、21日には関西圏の3府県で相次いで解除。宣言対象は首都圏など5都道県になっていた。(岡村夏樹)