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 インフルエンザなどのワクチンを製造・供給するKMバイオロジクス(本社・熊本市北区)が、新型コロナウイルスのワクチン開発に乗り出すことになった。国立感染症研究所や東大医科学研究所、医薬基盤・健康・栄養研究所との協業で研究開発を進める。

 熊本市の本社で25日、永里敏秋社長らが会見した。

 インフルエンザや日本脳炎などのワクチンと同様の、不活化ワクチンの製法で開発する。動物細胞にウイルスを感染させて培養し、薬剤などで処理して感染性や毒性を無くしたものをワクチンとして用いる方法を想定している。

 同社は2018年、化学及血清療法研究所(化血研)の主要事業を継承した製薬企業。ウイルスや細菌など病原体を扱う施設について、世界保健機関(WHO)のガイドラインで4段階に分類される「バイオセーフティーレベル」では、エボラウイルスなど危険度の高い病原体を扱うレベル4に次ぐレベル3相当の施設を有する。また、新型インフルエンザワクチンの承認実績を持つ。

 4月下旬に日本医療研究開発機構(AMED)の新型コロナワクチン開発の公募に応じ、今月19日に採択決定の通知を受けたという。研究費として、AMEDから同社に約11億円が交付される。同社など企業主導型4件、慶応大や長崎大などアカデミア主導型5件が採択されている。

 今年度中に協業する各機関と連携しながら、動物を用いた試験で安全性や有効性を調べ、2021年春以降の治験薬の製造と臨床試験開始をめざす。(大木理恵子)