第5回「東京行きたい選手いるのか」IOCと日本政府への怒り

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聞き手・構成 坂上武司

再考2020⑤

新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪・パラリンピックは1年延期となった。東京大会の意義はどこにあるのか。立ち止まって考えてみたい。

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クリスティーン・ブレナンさん(スポーツジャーナリスト)

 新型コロナウイルスの感染拡大で世界が死と絶望に包まれている中、もし東京大会が来年開催されれば、すばらしい時間になるだろう。行動制限が解除され、みんなが家から出る。世界中の人々が一緒に楽しめるのが五輪である。

 だが、今、目の前には不確実性しか存在しない。長年五輪を取材してきた人間としては、もちろん東京大会は取材したい。でも来年7月、東京がどうなっているのかは誰にも分からない。東京に行きたいという選手はいるのか。スタジアムで観戦したいファンはいるのか。新型コロナウイルス感染症の治療法やワクチンはまだないのだ。

 ワクチンができるまで、五輪を含めたこれまでのスポーツモデルは大きく変わらざるを得ないと考えている。いま各国で検討されている無観客試合が一般的なものになるだろう。そして、私たちは東京で、スタジアムに観客が存在しない五輪を目の当たりにするかもしれない。

【動画】コロナ対策などで簡素化されることが決まった東京五輪。その姿とは

 当然、その半年後に予定され…

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連載再考2020(全14回)

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