[PR]

 新型コロナウイルスの影響で学校の休校が続く中、外国にルーツを持つ子どもらの学習を支援しようと、富山県高岡市のボランティア団体「アレッセ高岡」がオンラインでの指導を今月から始めた。新型コロナでできなくなった対面指導の代替策として始めたが、新しい学習支援の一つに位置づけられつつある。

 「練習にたえるの『たえる』。これは忍耐の耐なんだけどな」

 5月中旬の平日夕方。高岡市内の雑居ビルの一室で、アレッセ高岡理事長の青木由香さん(43)がパソコンを前に市内の中学に通う女子生徒に語りかけた。ビデオ会議システム「Zoom」を使った学習指導だ。

 画面に映し出された漢字の教材の画像に青木さんがペイント機能を使って正しい漢字を書き込むなどして指導。この日は、中高生5人が自宅から参加し、理科や社会などを学んだ。

 アレッセは、ブラジルやパキスタンなどにルーツを持つ中高生らを対象に、普段は市内の施設で対面指導をし、高校や大学などへの進学を目指す子どもたちの学習を支援してきた。だが今回、新型コロナの感染防止を踏まえ教室を休みにせざるを得なくなった。

 一方で、副理事長の白石佳和さん(50)は「こうした子どもたちは会話ができても読み書きが苦手だったり、保護者が日本語を話せなかったりで、学校の休校に伴う自宅学習に大きな支障が出ている」と指摘。オンライン指導で少しでもサポートをと考えたという。

 青木さんは、子どもたちの手元が見えない、複数人でしゃべり合うのが難しいといった点に物足りなさは感じつつ「思ったよりスムーズにやりとりできて、生徒の様子も分かる」と手応えを感じた。日系ブラジル人の女子生徒(13)は「(一人の学習だと)わからないところがあると止まってしまう。その場ですぐ聞けるのがいい。家族以外と話せるので気分転換にもなる」と喜ぶ。教室後、夜道を帰らずに済む安全上のメリットもあるという。

 対面指導の代わりにと始めたオンライン指導だが、今後、教室自体に通えない地域に住む子どもたちへの利用も模索する。高岡市や隣接する射水市は外国にルーツを持つ子が多いが、他の地域では、そういった子が1人の場合もあり、学校での支援が手薄になっている可能性もあるからだ。

 青木さんは「元々持っている力を花開かせるのは、日本人、外国人に関係なく、すべての子どもの権利。学びの環境を作るのは大人の役割です」と強調する。アレッセでは、講師やボランティアスタッフの募集も行っている。問い合わせはメール(alece.takaoka@gmail.com)で。(竹田和博)

関連ニュース