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 新型コロナウイルス治療薬候補のアビガン(一般名ファビピラビル)について加藤勝信厚生労働相は26日の閣議後会見で、「引き続き来月以降も臨床研究や治験を継続し、有効性が確認され次第、迅速に薬事承認を行うという方針には全く変わりがない」と述べ、月内承認を事実上断念した。安倍晋三首相は5月中の承認を目指していた。

 アビガンは富士フイルム富山化学が製造する。新型コロナへの有効性と安全性を確認する同社による治験の結果はまだ出ていない。一方、藤田医科大が進める特定臨床研究について加藤厚労相は「臨床研究の継続の可否を判断する中間解析において、極めて高い有効性が示されればその結果を待つまでもなく、薬事承認という流れも想定していた」とするが、学外の専門家による評価委員会から科学的に評価することは時期尚早とされたため研究は継続となり、月内の承認には至らなかった。

 加藤厚労相はまた、アビガンの安全性について全国の600以上の医療機関で観察研究として3千人以上に投与された実績から「問題となる新たな副作用報告はされていない」と強調した。

 アビガンは、新型または再興のインフルエンザが発生し、政府が判断した場合のみ使えるとの条件で、2014年に承認された。動物実験で胎児への悪影響が確認され、妊婦らが使うと奇形児が生まれるなどの重大な副作用が出る恐れが指摘されている。