[PR]

コロナ法律相談 回答:秋山直人弁護士

新型コロナウイルスが影響を及ぼした「学びとお金」に関して、読者から寄せられた相談をもとに弁護士に聞きました。(聞き手・伊藤和行)

 Q 娘が4月からの海外留学のため、1月に留学会社を通じて60万円を払いました。留学が中止となりましたが返金は4万円だけ。全額を返金してもらうことは可能でしょうか。

 A 留学会社との契約内容をよく確認する必要があります。一般論では、留学が延期でなく中止となり、留学会社側の義務が全く履行されない状態であれば、支払い済み料金の返金を請求(不当利得返還請求)することができます。当事者双方の落ち度(帰責事由)はないのに留学が中止になったとして、民法536条1項に基づき代金支払い義務が消滅すると考えられるためです。

 留学会社との間の契約条項に「いかなる理由があっても返金はしません」といった規定がある場合でもあきらめないでください。

 消費者契約法10条では、他の法律の適用に比べて消費者の権利を制限する契約条項であり、民法の「信義誠実」の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項であれば、その条項は無効とすると定めています。つまり「返金はしません」という規定は無効である、と主張できるのです。

 また自ら留学をキャンセルした場合でも、一定程度の費用の返還を求めることができます。消費者契約法9条は、キャンセルにより事業者が負担する平均的な損害を超える額の返金は、請求できると定めているためです。

    ◇

 あきやま・なおと 2001年弁護士登録。福島第一原発事故被災者の損害賠償請求や、過労死・過労自殺問題などに取り組んできた。

主な相談窓口

◆日本弁護士連合会無料相談(一般向け) 電話(0570・073・567)かホームページ(HP)で6月19日まで予約を受け付ける。電話は平日午前11時~午後3時、HPは24時間可能。アドレスはhttps://www.nichibenren.or.jp/news/year/2020/topic2.html別ウインドウで開きます。近隣の弁護士が数日以内に折り返し連絡し、相談にのる。初回は原則無料。

◆日弁連「中小企業のためのひまわりほっとダイヤル」 電話(0570・001・240)かHPで予約を受け付ける。電話は平日午前10時~正午、午後1~4時。HPは24時間可能で、アドレスは一般向けと同じ。地元の弁護士が順次折り返し連絡し、資金繰りなど事業者向けの法律相談に応じる。初回30分無料。

◆日本司法書士会連合会「生活困りごと相談」 電話(0120・315199、平日午前11時~午後5時)もしくはウェブ面談(平日午後2~5時)で司法書士が無料相談に応じる。ウェブ面談はメール(sodan@nisshiren.jp)で事前予約が必要。前日午後4時までに氏名と希望日時を送り、確定の返信が届けば予約が完了する。当日に面談で使うURLがメールで送られてくる。1回約30分。

◆金融機関との取引などについての相談 金融庁 新型コロナウイルスに関する金融庁相談ダイヤル(0120・156811、平日午前10時~午後5時)

◆中小企業・小規模事業者・農林事業者の融資や返済についての相談 日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル(0120・154・505、平日午前9時~午後5時)

質問を募集しています

新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。