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コロナ法律相談 回答:岩重佳治弁護士

新型コロナウイルスが影響を及ぼした「学びとお金」に関して、読者から寄せられた相談をもとに弁護士に聞きました。(聞き手・土屋亮)

 Q 地方から東京の大学に進学するため、都内の賃貸マンションを契約しました。4、5月の家賃や敷金は支払い済みですが、緊急事態宣言を受けて授業開始の時期が決まっておらず、まだ一度も部屋に入っていません。6月以降も通常通りの家賃を払わなければならないでしょうか。

 A 部屋を貸すという大家さんの義務が果たせない「履行不能」の状態になっていなければ、原則として賃料の支払いは免れません。「履行不能」とは、例えば、建物が火事になって部屋を貸せなくなったというような状況を指します。

 緊急事態宣言で外出の自粛が要請されていますが、これは自粛であって、人の行き来を完全に禁じるものではありません。大家さんの側から見れば、部屋を貸すという契約上の義務を果たせる状態にあり、「履行不能」とは言えません。

 一方で「事情変更の原則」という法原理もあります。契約を結んだときに前提としていた状況がその後大きく変わり、当初の契約を履行すると当事者の間に著しい不公平が発生する場合には、契約の解除や変更が認められるケースがあります。

 今は事実上、大学に通えず、この先の見通しも立たない状況です。契約を打ち切れば、大家さんも別の借り手を新たに探さねばなりません。コロナ禍を「事情変更」ととらえ、家賃の減額を含め、双方にとってよりよい解決方法を話し合う余地はあるでしょう。

    ◇

 いわしげ・よしはる 1997年弁護士登録。子どもの学費の制度改革をめざす奨学金問題対策全国会議の事務局長も務める。19年3月、せたがや市民法律事務所(東京都世田谷区)を開設。

主な相談窓口

◆日本弁護士連合会無料相談(一般向け) 電話(0570・073・567)かホームページ(HP)で6月19日まで予約を受け付ける。電話は平日午前11時~午後3時、HPは24時間可能。アドレスはhttps://www.nichibenren.or.jp/news/year/2020/topic2.html別ウインドウで開きます。近隣の弁護士が数日以内に折り返し連絡し、相談にのる。初回は原則無料。

◆日弁連「中小企業のためのひまわりほっとダイヤル」 電話(0570・001・240)かHPで予約を受け付ける。電話は平日午前10時~正午、午後1~4時。HPは24時間可能で、アドレスは一般向けと同じ。地元の弁護士が順次折り返し連絡し、資金繰りなど事業者向けの法律相談に応じる。初回30分無料。

◆日本司法書士会連合会「生活困りごと相談」 電話(0120・315199、平日午前11時~午後5時)もしくはウェブ面談(平日午後2~5時)で司法書士が無料相談に応じる。ウェブ面談はメール(sodan@nisshiren.jp)で事前予約が必要。前日午後4時までに氏名と希望日時を送り、確定の返信が届けば予約が完了する。当日に面談で使うURLがメールで送られてくる。1回約30分。

◆金融機関との取引などについての相談 金融庁 新型コロナウイルスに関する金融庁相談ダイヤル(0120・156811、平日午前10時~午後5時)

◆中小企業・小規模事業者・農林事業者の融資や返済についての相談 日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル(0120・154・505、平日午前9時~午後5時)

質問を募集しています

新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。