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コロナ法律相談 回答:木野綾子弁護士

新型コロナウイルスが影響を及ぼした「学びとお金」に関して、読者から寄せられた相談をもとに弁護士に聞きました。(聞き手・三島あずさ)

 Q 複数のインターナショナルスクールの依頼を受け、各校の施設を使い、部活やスクールを開催している東京都内の事業所です。数人の正社員とアルバイトを雇用しています。完全休業状態ですが、都の感染拡大防止協力金の申請にあたり、「使用施設が自社所有でないため支給対象外」と言われました。また、一種のコーチの派遣業であり、家庭教師と同様に対象外であるとも説明されました。

 A この協力金は、「東京都における緊急事態措置等」により、休止や営業時間短縮の要請などを受けた施設を運営する事業者が、要請に応じた場合に支給されます。

 ここでいう「運営」とは、所有している、一定期間賃借しているなど、その施設をどのように使用するかについての支配決定権を持ち、営業休止などによるリスクを負っていることを意味すると考えられます。そのため、申請資料として施設の外観(看板の有無)の写真などを求められることもあるようです。

 今回の相談は、対象施設である学校の依頼により、同校敷地内に指導員が赴いて在校生にスポーツの指導をしている会社ということですので、残念ながらこの「運営」の要件を満たさないといわざるを得ません。「休業しなければ得られたはずの利益」ではなく、「休業によっても支払いを免れられない施設にかかる固定費」を補償するのが、この協力金の趣旨だと考えられます。

 この協力金の不支給は行政処分ではないため、不服申し立てはできませんが、他にもコロナ関連の助成金や給付金の制度がありますので、社会保険労務士、税理士などの専門家に相談してみるとよいでしょう。

    ◇

 きの・あやこ 裁判官を経て、2010年弁護士登録。第一東京弁護士会。労働(企業側)・不動産の分野において新型コロナ問題に取り組む。

主な相談窓口

◆日本弁護士連合会無料相談(一般向け) 電話(0570・073・567)かホームページ(HP)で6月19日まで予約を受け付ける。電話は平日午前11時~午後3時、HPは24時間可能。アドレスはhttps://www.nichibenren.or.jp/news/year/2020/topic2.html別ウインドウで開きます。近隣の弁護士が数日以内に折り返し連絡し、相談にのる。初回は原則無料。

◆日弁連「中小企業のためのひまわりほっとダイヤル」 電話(0570・001・240)かHPで予約を受け付ける。電話は平日午前10時~正午、午後1~4時。HPは24時間可能で、アドレスは一般向けと同じ。地元の弁護士が順次折り返し連絡し、資金繰りなど事業者向けの法律相談に応じる。初回30分無料。

◆日本司法書士会連合会「生活困りごと相談」 電話(0120・315199、平日午前11時~午後5時)もしくはウェブ面談(平日午後2~5時)で司法書士が無料相談に応じる。ウェブ面談はメール(sodan@nisshiren.jp)で事前予約が必要。前日午後4時までに氏名と希望日時を送り、確定の返信が届けば予約が完了する。当日に面談で使うURLがメールで送られてくる。1回約30分。

◆金融機関との取引などについての相談 金融庁 新型コロナウイルスに関する金融庁相談ダイヤル(0120・156811、平日午前10時~午後5時)

◆中小企業・小規模事業者・農林事業者の融資や返済についての相談 日本政策金融公庫 事業資金相談ダイヤル(0120・154・505、平日午前9時~午後5時)

質問を募集しています

新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。