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 大規模災害時に高齢者や妊婦らの避難所を確保するため、長崎県は26日、県旅館ホテル生活衛生同業組合と協定を結んだ。同組合の宿泊施設で宿泊や食事などのサービスを提供してもらい、公費で負担する。新型コロナウイルス感染症が収束しない中、避難所の「3密」を回避するためホテルなどに避難者受け入れを依頼する可能性もあり、県は情報共有の仕組みを役立てたい構えだ。

 組合には県内の288軒のホテルや旅館が加盟している。災害救助法が適用される大規模災害が起きたとき、県は被災市町の依頼を受けて組合に施設の提供を依頼。組合は対応可能な施設や人数を県に連絡する。65歳以上の高齢者や障害者、妊婦らが対象。

 協定締結は、市町村が設置する福祉避難所を拡充するための取り組み。全国31都道府県(4月時点)で結ばれ、県内でも長崎市、雲仙市、平戸市が旅館ホテル組合などと同種の協定を交わしている。

 新型コロナウイルス感染症が広がる中、避難所の感染対策は喫緊の課題だ。県は今月中に市町向けの避難所運営マニュアルを示すため準備を進めており、熱のある人のために別室を用意することなどを盛り込んでいる。

 県危機管理課によると、通常の避難所で対応が難しい場合は、協定をもとにホテルや旅館に受け入れを依頼する可能性も視野に入れている。担当者は「公平な運用のためにはまだ検討すべきことが多い」としつつ「情報共有の枠組みができたことは大きな前進だ」と話した。

 同組合は業界ガイドラインをもとに、備品の消毒や食事の提供方式などの見直しを個々の施設で進めている。村木営介理事長は「感染防止の準備の上、お話があれば受け入れられるよう各施設と相談したい」と話した。(榎本瑞希)