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 旅館の客室を8時間使っても無料、ホテルは5日間で2千円――。新型コロナウイルスの影響で宿泊客の減少に苦しむ愛媛県内の宿泊施設が、驚くような価格のテレワークプランを打ち出している。感染防止に取り組む事業者を県が独自に支援する「愛媛版協力金」を活用したものだ。

 松山市宮田町のホテルサンルート松山(大橋隆三社長)は日帰りで部屋が利用できるプランを4月中旬から始めた。ユニークさが着目されて地元テレビに放送されたが、利用は1日に1~2件にとどまっていた。

 4月下旬、県は事業者向けに6通りの支援メニューを盛り込んだ「愛媛版協力金」を発表。その一つが、テレワークの場を提供するホテルや旅館を支援する「県テレワーク推進協力金」で、利用ごとに3千円を上限に支給される。

 「経営を底支えするありがたい対応だった」と大橋社長。それまで1万7千円だった5日パックを協力金を受けて2千円にしたところ、1日の利用が20件程度に増えたという。テレワークプランは部屋の稼働率を20%下支えすると見込む。

 松山市道後姫塚の道後プリンスホテル(河内広志社長)は「8時間無料」のプランを始めた。「部屋まで案内するだけで、いつものおもてなしができない」ため、利用者からは料金をもらわず、県の協力金だけを受け取ることにした。

 プランにあてるのは22室。和室でも仕事をしやすいようにと食堂からテーブルやイスを運び入れた。温泉には入れないが、利用者は備え付けのマッサージチェアを使える。

 「『売り上げ』があるというだけでありがたい。利用が少なかった地元客に宿の魅力を感じてもらえれば」と河内社長は話す。

 協力金を活用したテレワークプランの利用は6月30日まで。プランの提供施設は県のホームページ(https://www.pref.ehime.jp/h30180/telework-kyouryokukin/telework-kyouryokukin.html別ウインドウで開きます)で確認できる。

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 中村時広知事が26日、宿泊施設のテレワークプランの状況を確認するため、ホテルサンルート松山を訪れた。部屋でパソコンを広げて書類を確認するなど、短時間、テレワークを体験した。ベッドが使えることを確認すると「ちょっと休めるし、快適」。テレワークは、政府の専門家会議が提言した「新しい生活様式」にも盛り込まれた。知事は「働き方改革にもなるし、ぜひテレワークに挑戦してほしい」と話した。(天野光一)