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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、活用方法が広がっているオンライン。学校生活で、福祉施設で――様々な取り組みが行われている。

 新型コロナウイルスの影響で臨時休校中の埼玉県伊奈町の国際学院高校で27日、オンラインを使った生徒会役員選挙があった。「新しい生活様式」が叫ばれるなか、生徒たちを取り巻く環境も変わりつつある。「何事にも対応できる生徒になってほしい」。先生たちのそんな思いがあった。

 この日の立会演説会には会長と会計に立候補した各1人、副会長に立候補した4人の計6人の生徒が参加。自宅で待機していた700人余りの生徒がライブ配信で6人の所信表明に耳を傾けた。

 1番目は会長候補者の月岡彩花さん(2年)。揺れ動く社会にあって、「この変化に対応し解決する力を養うチャンス。これからの私たちに求められている力」と現状を前向きに捉えることを呼びかけた。

 各候補者の熱い訴えに現会長の村上蓮(れん)さん(3年)も「新しい生活には新しい取り組みが必要。この選挙の形もその一つ。後輩たちが先頭に立って挑戦してくれそう」と取材に答えた。

 今回のオンライン選挙は、生徒会顧問で社会科目を教える島田哲弥教諭(40)が発案した。同校は3月2日から臨時休校に入り、4月末からオンライン授業を始めている。選挙もオンラインでできるのでは、と考えた。

 島田教諭は「暮らしも学校生活も変わっていく。国政選挙でもいずれネット投票が行われるかもしれない。生徒たちが主体性をもって物事を考え、決めていく。そのきっかけになったと思う」と話した。(猪瀬明博)

 「元気? 聞こえる?」

 「胸がいっぱいでなかなか話せないよ」

 「きょうは先生も隣で見てくださっているのよ」

 今月中旬、さいたま市北区の介護老人保健施設「みやびの里」の1階の部屋。パソコンに向かって手を振る60代の女性が、2階の部屋で暮らす89歳のおばと「オンライン面会」を果たした。

 2人が顔を見て話すのは半年ぶり。女性の横で、医師でもある施設の野中達也理事長が手を振った。女性は「慣れたらいろいろ話せました。電話では話していたけど、顔を見て話すと全く違います」と喜んだ。

 同施設はインフルエンザが流行した昨年12月に入所者との面会を禁止に。さらに、新型コロナウイルスの影響で同様の対応が続いている。この「オンライン面会」は5月半ばから1日6人の予約制で始めた。

 野中理事長は「入所者の残された日々は貴重なので、面会禁止はじくじたるものがある。動く画面で少しでも安心してもらいたい」と話す。同施設では、緊急事態宣言の解除を受け、面会再開を模索している。

 新型コロナ禍で施設の運営は緊張が続く。約140人が入所しているが、新たしく入る人は症状がなくても感染している心配があるため、入所から原則1週間は個室で食事も別にとってもらっている。通所リハビリの利用者約80人を世話する職員と入所者の担当職員は分けている。職員同士は食事の時には話さない。発熱したら休むので人繰りが厳しくなっているという。(松浦新