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 自民党支持層でも夫婦別姓や同性婚に賛成する意見が広がっていることが朝日新聞社と東京大学の谷口将紀研究室が3~4月に実施した共同調査でわかった。これに対し、2019年参院選の候補者を対象にした調査では自民党では反対が多数。社会的な価値観の変化と候補者の意識の違いが浮き彫りになった。

 調査は無作為で選んだ全国の有権者3千人を対象に実施。3月4日に調査票を発送し、4月13日までに届いた有効回答は2053人(回収率68%)だった。

 調査では夫婦別姓と同性婚の賛否について5段階で尋ねた。回答者全体をみると夫婦別姓に「賛成」「どちらかと言えば賛成」と答えた賛成派は57%、「どちらとも言えない」の中立は25%、「反対」「どちらかと言えば反対」と答えた反対派は17%だった。同性婚では賛成派46%、中立31%、反対派23%だった。

 17年衆院選時に行った有権者を対象にした調査と比べると、夫婦別姓の賛成派は19ポイント、同性婚は14ポイントそれぞれ増えた。政党別で見ると、自民支持層で賛成意見が増加。夫婦別姓は25ポイント増の54%を占め、同性婚は17ポイント増の41%で、反対派の29%を上回った。

 これに対し、19年参院選の際に行った候補者を対象にした調査では、自民の候補者の賛成派は夫婦別姓は19%、同性婚は9%にとどまっていた。一方、その他の党の候補では、夫婦別姓の賛成派は8割以上だった。同性婚の賛成派は日本維新の会で29%、その他の主要政党でも半数を超えており、夫婦別姓と同性婚という社会的価値観をめぐっては、自民候補の意識は、有権者やその他の党との差が際立った。

 こうした傾向について谷口教授は「大きな事件はないのに、わずか数年でこれほど世論が動くのは珍しい。政治の対応能力が問われる」と分析している。(蔵前勝久)