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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で苦境に立たされている関西の奥座敷・有馬温泉(神戸市北区)。緊急事態宣言が解除された今、少しずつ営業を再開する旅館が増えているが、客足はほとんど無い。感染拡大への不安を抱えつつも、かつてのにぎわいを待ちわびる旅館「陶泉 御所坊」を追った。

 御所坊は、鎌倉幕府が始まる前年の1191年創業と伝えられており、戦国武将の豊臣秀吉や文豪の谷崎潤一郎らも訪れた老舗旅館だ。休業要請解除を受け、5月7日から宿泊、日帰り温泉を再開したが、日に約14組いた宿泊客は、1、2組程度。日帰り温泉客も少ない。

 感染リスク軽減のため、玄関の受付にはアクリル板を設置し、案内はタブレットで動画を見せて対応。温泉は1時間に3組限定で、消毒スプレーも貸し出している。有馬温泉観光協会会長も務める社長の金井啓修(ひろのぶ)さん(65)は「お客様が安心してご利用できることが、いまの時代のおもてなし」と話す。(柴田悠貴)