【動画】「容器包装プラスチック」として捨てられたごみを処理する様子
[PR]

 新型コロナウイルス感染拡大で外出を控える傾向が続く中、熊本市で家庭ごみの排出量が増加傾向にある。自宅で過ごす時間が増えた影響だとみられる。ごみ処理の現場は、ある問題に悩まされている。

 市廃棄物計画課が3、4月のごみ排出量を前年同月と比較したところ、家庭ごみでは、ガラスや茶碗などの埋め立てごみ、紙ごみなどが増加していた。

 カップ麺などの容器やインスタント麺の包装袋、ペットボトルのラベルなど「容器包装プラスチック」に分類されるごみでは、3月の1日あたりの排出量は昨年同月比3・9%増の25・1トン、4月では同7・7%増の26・3トン。外食をする機会が減ったこと、自宅での食事回数が増えたことなどが原因と同課はみる。

 また、ソファや布団など大型ごみの受付件数は、4月の1日あたりで昨年同月比16・3%増の153件だった。外出自粛で家財の整理や掃除をした人が増えたためと考えられるという。

 一方、営業自粛などの影響からか、店などが排出する事業ごみは前年比で減少した。

 ごみの排出量が増え、処分業者が苦労していることがある。

 廃棄物の収集、運搬と処理を担う会社「石坂グループ」(熊本市東区)は、リサイクルできる資源ごみの中間処理をしており、市内で回収された容器包装プラスチックごみの約半分が持ち込まれる。22日、作業場を記者が訪ねた。

 作業場に、容器包装プラスチックごみを入れた袋が山のように積み上げられている。人間の身長の2倍以上はありそうな高さだ。生ごみのような臭いがする。同社の容リプラ選別課主任を務める吉田裕貴さん(30)に袋の中身を見せてもらうと、魚や肉、菓子が入っていたと思われるトレー、弁当の容器などが入っていた。

 きれいに洗われたものもあるが、食材の汚れがついたままの容器も目に付く。プラスチックの衣類ハンガーやビニールひもも混ざっている。いずれも市のルールでは、「燃やすごみ」に分別し直さなければならない「違反物」。現場ではこれらを仕分けなければならない。

 まず、重機を使ってゴミ袋の山を機械に移し、袋を破る。細かいくずなどを機械で除去してから本格的な分別に入るが、ここからすべて手作業だ。

 ベルトコンベヤーで次々とごみが流れてくる。スピードは想像以上に速く、目で追うのが精いっぱい。手袋を着けた作業員が4人がかりで見つめている。

 白いソースのようなものがべったりついた、茶色い容器が流れてきた。コンビニで購入したパスタかグラタンか。すかさず一人が取り除いた。中身をゆすいでいないお好み焼きソースのボトル、調味料がついた総菜のトレー、スプーンの跡まではっきり残るみそのパック――。次々と燃やすごみに分別されていく。

 吉田さんによると、県内で新型コロナウイルス感染者が増えた3月下旬ごろから、冷凍食品の袋やトレーなどのごみが目に見えて増え始めたという。近年、「違反物」の量は減少傾向にあったというが、ごみ排出量そのものが増えたため違反物の量も比例して膨らんでいる。従業員がごみを見やすいようにと、ベルトコンベヤーに流すごみの量を調整するなどの工夫もしている。

 「ごみの量が増えていることは仕方ない。ただ、汚れたままで容器包装プラスチックごみを出さないなど、基準に沿って出してくれると助かります」と吉田さん。同社委託事業部長の曽我部求道さん(39)は「洗浄していない容器があると、きちんと洗って出されたものにも汚れが移り、結局燃やすごみになってしまう。責任をもって分別してもらえたら」と話す。(大木理恵子)