コロナ対策に「深紫外線LEDの照射」 実験結果を公表
宮崎大学医学部と医療機器メーカー「日機装」(東京)は27日、同社が開発した深紫外線LEDの照射で新型コロナウイルスが感染力を失うという実験結果を発表した。同様の論文は世界でも発表されていないという。主に病院の院内感染防止などに期待される。
深紫外線LEDは、一般的な紫外線より波長が短く、水や空気を殺菌する効果があるという。同社が今年1月から病院向けに製造・販売する空間除菌消臭装置(8畳用)に使われている。
宮崎大学と同社は4月下旬、シャーレに入った新型コロナウイルスに深紫外線LEDの光を照射する実験をした。照射時間を30秒と60秒に分けて調べたところ、いずれも99・9%のウイルスが、感染力を失う「不活化」という状態になったという。
新型コロナは、ウイルスに触れた手で口や目などを触ったり、くしゃみやせきのしぶきを浴びたりして感染する。空気感染しないとされるが、宮大医学部付属病院の鮫島浩院長は「深紫外線LEDは防御策の一つとしてウイルスとたたかう武器になる。さらに研究を進めたい」と話した。
日機装の除菌消臭装置は、光触媒の作用でカビや細菌を分解するほか、フィルターにウイルスを吸着し、深紫外線LEDの照射で不活化させる。同社は、人が触った医療器具や院内の壁などに深紫外線LEDを照射させてウイルスを不活化させる応用策のほか、ホテルやカラオケボックスでの活用も検討する。
宮大と日機装は2019年11月、院内感染対策を中心とした医療環境改善を目的に共同研究講座を開設。新型コロナウイルス感染拡大を受け、今回の研究に取り組んだ。(二宮俊彦)
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