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 新型コロナウイルスの広がりを受け、6月に防災訓練を計画していた県内の16市町村すべてが、中止や規模の縮小を決めたことが分かった。宮城県沖地震(1978年)の教訓から、発生日の6月12日は「県民防災の日」となっているが、「コロナ禍で防災意識をどう高めるか」との戸惑いの声があがる。

 中止や縮小を決めたのは、気仙沼市や仙台市、塩釜市、亘理町など。密集状態を避けるというのが主な理由だ。

 昨年10月の台風19号で被災した丸森町も、計画していた訓練を中止する。台風が接近した10月12日に合わせて訓練日をずらせないか検討している。

 隣の白石市も、冠水の恐れがある場所を確認しながら、高齢者らを避難させる訓練を計画していたが中止だ。参加者は例年3千人ほど。担当者は「早めの避難が大切との意識を高めたかったが……」と残念がる。

 仙台市も「市民防災の日(6月12日)」に予定していた放置車両の撤去や救助の訓練が中止だ。机の下などに入って身を守る「シェイクアウト訓練」は、各家庭や職場でやってもらう。

 一方、規模を縮小して行う自治体もある。

 東松島市は6月7日に大津波警報が出た想定の訓練を実施する。ただ、例年の住民避難はせずに、自宅で備蓄品の確認などをしてもらう。自主防災組織などによる避難所の開設も、人数を絞って短時間で行うという。担当者は「災害はいつ起こるか分からない。小規模でもやる必要がある」

 訓練見直しの動きは、7月以降の計画にも及ぶ。

 岩沼市は28日、7月に予定していた訓練を中止する代わりに、避難行動の目安や避難所での感染症対策についてチラシを町内会経由で住民に配布した。担当者は「訓練だけが全てではない。チラシやホームページで防災情報を発信していきたい」と強調する。

 10月に予定している山元町は例年、日曜を登校日にして家族参加で取り組んできたが、今年は休校期間が長引いたため、日程調整が難しいという。仮に中止となれば、地区ごとに防災マップを作ることを検討する。担当者は「町民が防災を考える日が必要だという意見は多い。訓練という形でなくても、機会を確保できるよう工夫したい」と言う。

 県は例年通り12日に訓練を実施し、初めてウェブ会議を導入する。気象台などとオンラインで情報を共有するほか、村井嘉浩知事が遠隔地にいる想定で、スマートフォンで幹部らと意思疎通する計画だ。

 「津波防災の日」がある11月にも、石巻市や松島町、南三陸町などが訓練を予定しているが、感染状況を見ながら訓練の可否を検討する自治体が多い。(徳島慎也、窪小谷菜月)

6月の防災訓練を中止・縮小した自治体

仙台市、塩釜市、気仙沼市、白石市、登米市、栗原市、東松島市、蔵王町、七ケ宿町、大河原町、柴田町、川崎町、丸森町、亘理町、利府町、大衡村