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 新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けた和歌山県内の企業に対し、県は独自の経済対策を打ち出している。目玉は最大100万円を支給する「事業継続支援金」。すでに募集を開始しているが、風俗業など一部が対象外で、識者からは「偏見だ」と批判の声も上がる。

 同支援金は、新型コロナの影響で売り上げが前年同月比で50%以上落ち込んだ事業者に対し、県独自で支援をする制度。従業員数に応じ、20万~100万円が支給される。

 県は、支援金の対象を原則、「国の持続化給付金」を受けた事業者としている。経済産業省が示している規定によると、同給付金について、風俗業や宗教法人などは給付対象外とされている。

 県によると、国の給付金の対象外の風俗業は、支援金も対象外。一方、旅館業法の許可を得て、宿坊などを営む宗教法人については、「県内観光の大きな要素」であるとして、対象になるとした。

 支援金を含む県の支援策の考え方について、仁坂吉伸知事は、「全業種、困っている人を助ける」(12日、全国知事会のウェブ会議)と発言。一方、「風俗業は特別に営業が認められている業種のため、国がこれまで支援の対象にしなかった。県もその考え方にのっとった」(14日、記者会見)とする。

 新型コロナ感染拡大防止のための臨時休校に伴う保護者への助成金について、政府は当初、風俗業などで働く人は対象外とした。しかし、「職業差別」との批判が起こったため、風俗業で働く人も対象とするように方針を変えた。

 風俗業で働く人向けに法律相談事業などを手がける「一般社団法人ホワイトハンズ」(新潟市)の坂爪真吾代表は、風俗業が国の給付金や県の支援金の対象外になったことについて、「偏見が表に出ている」と話す。働く人からは、新型コロナによる営業自粛などに伴い、売り上げや収入が大幅に減少し、生活に困っているという相談などが寄せられているという。坂爪代表は「風俗業を支給の対象から外すことに合理性はなく、理解できない」と批判した。(藤野隆晃)