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 国産の最高級生糸「伊予生糸(いよいと)」の産地として知られる愛媛県西予市で、今年最初の繭を取るための「春蚕(はるご)」の飼育が大詰めを迎えている。さなぎになる前の蚕たちがクワの葉を食べる食欲は旺盛で、蚕を飼っている蚕室はサワサワという独特の音に包まれている。

 養蚕を始めて5年目という西予市宇和町の松山紀彦さん(59)は、市内に6戸しかない養蚕農家の1人。5月中旬に蚕種会社から1センチ弱の春蚕を約3万7500頭仕入れ、クワの葉を与えて育ててきた。7センチほどに成長した蚕は、あと数日で繭をつくり出す見込みで、今の時期は若葉が茂ったクワの枝を1日に3~4回与えているという。

 西予市産の生糸は古くから高品質で知られ、皇室や伊勢神宮の御料生糸に採用されている。2016年には伊予生糸として、地域ならではの農林水産物や食品のブランドを守る農林水産省の「地理的表示保護制度」(GI制度)に登録された。(藤家秀一)