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 厚生労働省が29日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は1・32倍で、前月より0・07ポイント下がった。低下は4カ月連続。新型コロナウイルスが経済を直撃した影響が大きく、その月にハローワークに新たに出された求人規模を示す新規求人数は前月比22・9%減で、統計を始めた1963年以降で過去最大の落ち込み幅となった。

 有効求人倍率は、求職者1人あたり何件の求人があるかを示す。4月は新型コロナ対策で外出自粛が要請され、仕事探しを控える動きから求職者も減ったが、企業側の求人意欲がそれ以上に減り、倍率の低下に歯止めがかからなかった。

 求人票などを受け付けた受理地別では、沖縄県が0・91倍に悪化。2016年9月以来、3年7カ月ぶりに1倍を切る地域が現れた。これまで安倍晋三首相は、第2次政権発足後の雇用回復を語る際に「全ての都道府県で1倍を超えた」と国会などで繰り返し誇ってきたが、地域により悪化が鮮明になってきた。ただ、就業地(実際に仕事をする場所)別では、全国で1倍を超えている。

 主要産業別の新規求人数(原数値、前年同月比)は「宿泊、飲食サービス業」が47・9%減、旅行や遊園地、理美容業などを含む「生活関連サービス、娯楽業」が44・0%減、「製造業」が40・3%減など、いずれも異例の4割超の下げ幅だった。1~3月は米中貿易摩擦の影響もあり、製造業の下げ幅が最も大きかったが、4月に入って新型コロナの打撃を受けた観光業界などの苦境が雇用統計にも表れ始めた。

 また、総務省が29日発表した4月の完全失業率(季節調整値)は2・6%で、前月を0・1ポイント上回り、2カ月連続で悪化。完全失業者数は178万人と、前月から6万人増えた。雇われて働く人の数(原数値、前年同月比。役員を除く)は5582万人で、34万人減。女性の非正規の働き手を中心に減少した。(滝沢卓)