コロナ禍の将棋名人戦、幕開けを待つ老舗旅館の思い

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安田琢典
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 第78期将棋名人戦(朝日新聞社、毎日新聞社日本将棋連盟でつくる名人戦実行委員会主催)の第1局が6月10、11両日、三重県鳥羽市の「戸田家」で行われる。新型コロナウイルスの影響で過去に例がない長期の休業を余儀なくされ、5月30日から営業を再開する老舗旅館は、急ピッチで準備を進めている。

 戸田家は1830(天保元)年、同県伊勢市で創業した。第2次世界大戦で伊勢市が空襲に見舞われた際も同県松阪市の三井家別宅で営業を続け、1946年に現在の鳥羽市に移転した。

 過去には将棋や囲碁のタイトル戦を何度も経験してきた。将棋の王将戦は8回行われ、囲碁の本因坊戦も8回を数える。将棋の名人戦は2007年の第65期以来6回目だが、第1局の舞台に選ばれたのは01年の第59期に続き2回目のことだ。

 今回の名人戦は、竜王と合わせて二冠の豊島将之名人に、渡辺明三冠が挑むファン注目の対局。当初、第3局が予定されていたが、コロナ禍の影響で延期が続き、5月中旬に日本将棋連盟から日程が知らされた。ただ、対局は無観客で行われ、前夜祭や大盤解説会は開かれない。

 8代目社長の寺田順三郎さん…

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