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 2月の最終日だというのに、飛行機を降りると、熱く乾いた空気が4人を包んだ。日本を出発して丸一日。ケニアのナイロビに着いた女性たちは、サファリカーに乗り込んだ。

拡大する写真・図版ケニアを目指す機内での義足=2020年2月29日、井手さゆり撮影

 後部シートの中央に1本の義足が置かれ、車は北へ向かった。抱き合う男女が描かれ、ルイ・ヴィトンの靴を履いた華やかな義足。持ち主は、そこにいなかった。

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 京都の高校教員だった高木庸子さんが左足のひざから下を失ったのは、2014年秋。初めは中指の付け根の小さな違和感だったが、急に大きくなり、がんの一種の悪性軟部肉腫と診断された。「足を残すのは難しい」と医師に告げられた。

拡大する写真・図版高木庸子さん=2019年11月3日、京都市上京区、井手さゆり撮影

 なぜ自分がこんな目に遭うのか。大好きだった靴やスカートを捨てた。ネットを検索しても、義足の商品の情報ばかりで、暮らしぶりがわからない。手術とリハビリである程度は歩けるようになったが、「私はもう100%の私ではない」と感じた。たそがれ時には不安が募った。

 思い出したのは、かつて自分が教え子たちに繰り返した言葉だった。「行けるところではなく、行きたいところへ行こう」

 私は私のことを諦めたくない――。

 10万円以上するヴィトンの靴…

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