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 山口県下関市は、北九州市で28日に新型コロナウイルスの感染が確認された21人のうち、2人が下関市在住だったと29日発表した。いずれも、クラスター(感染者集団)が起きたとみられる門司メディカルセンター(北九州市門司区)の医療スタッフ。関門海峡を挟んで1日約1万人の往来がある下関市では警戒が強まっている。

 記者会見した下関市によると、感染が確認されたのは下関市在住の40代と50代の女性。2人とも29日に県内の医療機関に入院し、うち50代女性は発熱などの症状があるという。

 2人は、門司メディカルセンターに入院歴のある女性の感染確認を受け、北九州市が濃厚接触者としてPCR検査を実施。28日に陽性と判明した。

 2人とも普段は車で通勤していたといい、それぞれの濃厚接触者は、40代女性が家族1人、50代女性が同居人2人。いずれもPCR検査を実施し、30日には結果が判明する。今のところ、この3人に症状はない。

 3人については、PCR検査の結果が陰性でも、6月12日までは健康観察期間として下関市が外出自粛を要請する。(井石栄司)

 下関市内の感染者は、4月12日に市の非常勤職員の70代男性が確認された後、1カ月半余り出ていなかった。市は対策本部会議を開いて、北九州市の発生状況について情報を共有。前田晋太郎市長は記者会見で「最大の危機感を持っている」とし、市民に当面の間、北九州市への移動を控えるよう呼びかけた。

 下関市は今月14日に小中学校を再開。20日からは一部施設も再開したが、前田市長は「出ばなをくじかれたようなつらい状況」と苦渋の表情を浮かべた。北九州市は施設の再休館に踏み切ったが、前田市長はこの週末の発生状況を見極めたいとし、「内容が悪ければ思い切った決断が必要になるだろう」と語った。

 北九州市在住の職員については、在宅勤務を推奨していくという。(貞松慎二郎

知事、北九州市への移動自粛を要請

 山口県の村岡嗣政知事は29日、新型コロナウイルスに対応する特別措置法に基づき、感染確認が相次いでいる北九州市への移動を当面の間、自粛するよう県民に要請した。村岡知事は「感染の波が押し寄せてくることは避けないといけない。当面は不要不急の移動は控えていただきたい」と話した。

 この日あった県の対策会議で決めた。

 緊急事態宣言が5月14日に解かれた38県への移動自粛要請については、6月1日以降は解除する。大阪府、京都府、兵庫県は6月11日まで、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、北海道は同月18日まで自粛要請を継続する。

 県有施設や県主催イベントについては、6月1日以降も自粛要請を継続する8都道府県と、北九州市からの来場を控えるよう呼びかける。

 県内の感染者数が1週間で4人を超えた段階で、外出自粛要請などの検討をはじめ、市中感染の有無などを考慮して対応を決めることも確認した。

 会議後、村岡知事は観光振興について「6~8月は通常の年であれば需要が増える。ここでしっかり需要を喚起できればと思っている」と述べ、県議会6月定例会に観光関連事業を盛り込んだ補正予算案を提案する考えを示した。(藤牧幸一)