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 新型コロナウイルスの感染拡大への警戒が続くなか、岐阜県内の自治体では、豪雨などの自然災害が重なった場合を想定し、避難所の設置や運営方法について検討する動きが広まっている。

 「発熱はないですか」「避難所では人と人の間隔を2メートルは確保してください」。岐阜市立本荘小学校で29日、新型コロナウイルスに対応した避難所の設置訓練があった。ビニールカーテンで区切られた避難所の受付では、担当者が被災者役に声を掛けた。避難所に入る際、マスク着用や手の消毒も義務づけた。

 地元の自主防災隊や消防職員ら約30人が参加し、新型コロナ対策を加えた避難所運営マニュアルに従って、体調不良者などを完全に分離するなどの手順を確認した。

 多くの住民が押し寄せる避難所で「3密」をいかに防ぐかが課題。訓練では、窓を開放した体育館にキャンプ用のテントを設営し、飛沫感染の防止を図った。同市都市防災部の石塚隆次長は「妊婦や高齢者に配慮し、スムーズな運営には住民同士の譲り合いが重要だ」と話す。

 美濃加茂市の体育館でも28日、避難所の開設と運営訓練があった。職員約50人が参加し、居住スペースなどを設定。避難者が「密」にならないように間隔を測りながら、段ボールで間仕切りしたスペースをつくり、手順や配置形態、通路の広さなどを確認した。

 市によると、通常は1人あたり2平方メートルを想定しているが、新型コロナに対応すると、約2・3倍のスペースが必要になるという。同市総務部の佐藤文彦部長は「訓練で分かった課題などの対応を盛り込んだ市のマニュアルをまとめたい」と話した。(松永佳伸、吉田芳彦)

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 4月下旬から群発地震が続く岐阜県高山市の市立栃尾小学校で29日、地震を想定した避難訓練があった。新型コロナウイルス感染防止対策で、全校児童61人はお互いに距離を取りながら避難する方法を学んだ。

 活火山の焼岳にも近い同小はこれまでも毎月、噴火や火災などを想定した様々な「命を守る訓練」を続けている。

 登校日のこの日は、1年生も初めて避難訓練に参加した。緊急地震速報が流れると、児童は机の下に潜り、ヘルメットや防災頭巾をかぶって校庭へ避難した。児童同士の間隔をさらに取るよう指示を受けるなど、これまでの訓練との違いを実感していた。

 新入生の弟がいる溝脇妃莉(ひなり)さん(6年)は「地震が多くて心配なので、下級生を守ってあげたい」と話し、伊藤麻陽(あさひ)さん(1年)は「距離を離して逃げるのが難しかった」と話した。(山下周平)