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 新型コロナウイルスの影響で、愛知県内ではバイクの需要が高まっている。「3密」を避けようと、電車やバスだった通勤手段を変更する人がいるようだ。一方で二輪車の死亡事故も増えており、県警が注意を呼びかけている。

 「通勤を電車からバイクに変えたい」

 4月上旬以降、愛知県瀬戸市のバイク店「イトーKT」にはこう話す客が相次いでいる。販売のほか貸し出しもあるが、在宅勤務になった人が出勤日だけ借りるというケースもある。

 店長の伊藤雄一郎さん(40)は「バイクでの移動中は人と接触しない。感染リスクが少ないと感じているのでしょう」。店内の消毒や換気の徹底など感染対策を施しながら営業を続けている。

 県内133店舗で構成する愛知オートバイ事業協同組合によると、2月下旬から特に中古の原付きバイクの需要が高く、現在でも一部地域の加盟店では在庫が少ない状態が続いているという。

バイク通勤のリスクは?

 二輪車の感染リスクについて、愛知県立大学の清水宣明教授(感染制御学)は「屋外で排出されたウイルスはあっという間に飛散するため、ごく近くで飛沫(ひまつ)や息を浴びない限り、リスクはほぼない。バイクに乗って風を感じている時に感染することはないでしょう」と話す。自転車も同様だという。

 一方、県内では今年、自転車やバイクによる交通事故死者数が増えている。県警によると、今月28日までに24人(暫定値)で、昨年同期と比べて8人増えた。24人のうち、9人が単独事故だった。

 県警は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で例年より交通量が少ない状態になり、速度を出しやすい環境が続いているとみている。特にバイクは、速度の出し過ぎが重大事故につながりやすいという。

 3月に管内でバイクの単独死亡事故が2件発生した港署では、「考えよう速度をおとすか、命をおとすか」と注意を呼びかけるチラシを独自に作成。港区内の商業施設やバイク店で配っているほか、速度を出しやすい道路でのパトロールを強化している。

 同署の一木(いちき)克昭交通課長は「二輪車は一体感が味わえる素敵な乗り物だが、重大事故のリスクも高い。事故に遭わないような運転をしてほしい」と話している。(山下寛久)

バイクを運転する際の注意点(県警への取材による)

・単独事故や右折直進事故など、速度の出し過ぎが重大事故につながりやすい

・渋滞する車列をすり抜けるなどして、衝突に巻き込まれるケースもある

・通勤通学で新たに使う場合、渋滞しやすい場所や交差点などの危険な場所を確認しておく