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 日雇い労働者の街として知られた横浜・寿町。簡易宿泊所の一室で、美香さん(46)=仮名=は包装されたままの1枚のマスクを大事そうに手に取った。ひと月に及ぶ「放浪の旅」の道中、ある男性が手渡してくれたものだという。

 東海地方でソープランドに勤めていたが、3月、誰にも告げず店を飛び出した。新型コロナウイルスが流行し始め、客がぱったり来なくなったのだ。給料は歩合制で、収入はゼロになった。「死のう」。現金5千円と2日分の着替えを持ち、在来線であてもなく東へ向かった。

 「身元不明の遺体になろう」と道中でスマホや手帳を燃やし、身分証明書はコンビニのゴミ箱に捨てた。熱海で海に飛び込もうと思ったが、できなかった。

 電車賃が底をついてからは、国道1号沿いを歩き続けた。脚はむくみ、靴擦れでぼろぼろになった。

 野宿を重ね、JR藤沢駅にたどりついた3月末のある夜。駅近くの広場でうずくまっていると、通りかかる人々からの好奇の視線を感じた。その中に、30代くらいの男性の姿があった。

 男性は美香さんを見ると一度姿…

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