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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらぬ中、大阪府岸和田市で例年9月にある岸和田だんじり祭(まつり)が開けるかに注目が高まっている。運営側はコロナ対策を万全にし、規模も縮小して開催する方向だが、多数の観客で生じかねない「密」が難題だ。

 岸和田だんじり祭は城下町だった江戸時代に始まった。22町会が持つだんじりが街を駆け巡る。重さ4トンのだんじりが勢いを付け、角を曲がるやりまわしが人気で、昨年は2日間で41万人超が見物に集まった。

 各町会から選出された「岸和田地車祭礼年番」による自主運営も特色だ。今年の年番長を務める山出智司さん(57)は「緊急事態宣言が解除されたので、コロナ対策をしっかりした上で、歴史ある祭りを続けていきたい」と話す。だんじりの曳(ひ)き手の接触を減らすなどを考えているという。

 開催は9月19、20日の予定だ。ただ、第2波が起き、再び緊急事態宣言が出されれば中止も検討する。

 だんじり祭は1937~41年と44、45年に戦争の影響で自粛・中止になったが、その後は連綿と続いてきた。

 祭礼町会連合会の花枝秀材(ひでき)会長(57)は「無観客が望ましいが、街中でだんじりを曳くので制限も難しく、知恵を絞りたい」と話す。市内外に向けて来訪自粛を呼びかけるほか、当日はネットで動画中継し、観客を減らしたいという。

 6月12日にコロナ禍で延期してきた連合会の会合を開き、各町会の参加意向を確かめるという。花枝さんは「祭りは疫病(えきびょう)退散を願って始まったという説もある。このような状況なので、少しでもだんじりを曳くことができれば」と願う。

 岸和田市の永野耕平市長は「市民が長年開いている祭りで、市から自粛を要請する根拠はない」としつつ、「観客は混み合うので対応が必要ではないか」と話す。(川田惇史)