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 新型コロナウイルスの感染拡大は、学生の就職活動にも影響を及ぼしている。打撃を受けた業界の採用計画は不透明となり、合同説明会は中止、面接はオンライン上で進む。広島県内の大学も就活支援に苦慮している。

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 「世の中には知らない会社の方が多いのに、それらを知る機会がなくなってしまった」。大手就職情報会社などが開く合同企業説明会が続々と中止になり、メディアや人材育成業界をめざす男子学生(22)は嘆く。

 緊急事態宣言の影響で、面接の延期も相次ぐ。マスコミ志望の女子学生(23)は、東京や広島の複数社の面接が延期となり、見通しが立たず不安を抱える。「一番怖いのは、移動できるようになったあと面接が重なってしまうこと」

 こうしたなか、ウェブ面接を採り入れた企業も多い。だが、ウェブ面接を複数回受けたという女子学生(21)は「会社の雰囲気が分からない。会社もウェブでしか私たちを見ていない。お互いにギャップがありそう」と心配する。

 日本文化を学ぶ女子学生(21)は複数業界で選考が進んでいる。志望企業がウェブ面接をすると知り、親にパソコンを購入してもらったが「10万円くらいかかって申し訳ない」と話す。

 県の休業要請の対象となり、多くの大学は学生の立ち入りが禁止になった。就職支援の担当者は現状を把握するのが難しくなっているという。

 県立広島大のキャリアセンターでは就活生にウェブを利用したアンケートを実施中だ。内定の有無やセンターの利用希望などを尋ねた。担当者は「就活の方法が変わっている。学生の声を聞いて必要な支援を考えたい」という。

 広島大では例年、約3割が東京の企業に就職する。しかし就活生からは上京を心配する声も届く。担当者は「学生には、企業にウェブ面接への切り替えか日程変更を依頼するよう伝えている。解決しなければ大学が間に入って対応することも必要になる」と話す。

 大学の担当者らは、不透明な採用動向も注視している。

 安田女子大のキャリア支援課の担当者は「一部企業では今年度の採用を見送る動きがある。その業界をめざしていた学生の進路相談に応じる必要がある」としている。

 尾道市立大キャリアサポートセンターによると、早い段階で内定を出した企業もあるが、「最終面接は対面で」と合否を保留している会社も少なくないようだという。

 コロナ禍で様々な業界が打撃を受けており、センターは「今後、企業の採用意欲が衰える可能性がある」と分析。6月以降、大学から企業に個別説明会の開催を積極的に呼びかけるなどしていくという。(成田愛恵、北村哲朗)

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 広島労働局の中山明広局長は28日の会見で、今年4月に入社予定だったが延期になったという相談があったと明かした。現在就活中の学生について「新型コロナで環境も変わり、採用枠が狭まる可能性がある」と指摘。その上で、「来春入社の就職内定率については今後の動向を見極めていきたい」と述べた。(辻森尚仁)