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 中国の全国人民代表大会が香港で反体制的な言動を取り締まる「国家安全法制」の導入に関する決定を採択したことについて、与野党から非難の声が上がっている。自民党の部会は29日、中国を非難する決議を菅義偉官房長官に提出した。安倍政権が目指す習近平(シーチンピン)国家主席の国賓訪日にも再検討を求めた。

 自民党の外交部会などが合同会議を開き、非難決議をまとめた。「一国二制度」や「高度な自治」を中国側の一存で変更したことを「由々しき事態で看過できない」と批判。「自由と民主主義を尊重する観点から、重大で深刻な憂慮」を表明した。安倍晋三首相自ら、中国に対し、自由で開かれた香港の維持・継続などを働きかけるよう求めた。

 合同会議では、習氏の訪日について反対の意見が相次いだという。決議には「再検討も含め、慎重に検討」するよう政府に求めることも付け加えられた。

 中国への懸念の声は野党からもあがった。立憲民主党の枝野幸男代表は29日の記者会見で「香港での高い自由と自治が引き続き確保されるのか強い懸念を抱かざるをえない」とし、「国際社会とともに香港の民主的で高い自治が確保されるよう強く求める」と述べた。

 共産党の志位和夫委員長も28日に談話を出し、「この決定に強く抗議し、香港への人権抑圧強化の動きをただちに中止することを強く求める」と訴えた。

 英国など30カ国超の国会議員が、国家安全法制への深刻な懸念を表明する共同署名には、自民、立憲民主、国民民主、共産など102人(29日午後4時時点)が署名している。

 中国への批判が強まるなか、習氏の訪日実現へのハードルはさらに高まった。菅官房長官は28日の会見で「関連の状況全体を見ながら、日中間で意思疎通を続けていきたい」と述べるにとどめた。外務省幹部は「こういう時こそ中国と意思疎通を図り、日本企業への影響を最小限に抑えなければならない」と話す。(太田成美、小林豪)